台風の日も | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

台風の日の演奏会。毎年のことなので、何度か出勤の経験があります。しかし、今回ばかりは大型台風とあって、前日、公演中止にならないか気を揉みました。


びしょびしょになったお客さま。交通機関の乱れで遅れて来られるお客さまの多さに、気の張る途中入場。暴風に煽られるエントランスの備品の安全、もぎりにくいびしょびしょ、くしゃくしゃのチケット・・・etc。色々と思い浮かびます。


あるホールでは、エントランスのマット(絨毯のようなもの)の重ね合わさる部分の向きが、開場時と終演後で重ね方を逆にしています。クロークでは、水滴を拭うタオルをたくさんスタンバイするなどしたりします。以外と傘立てで上手く傘が取れなかったり、鍵が開かなかったりと悪戦苦闘していらっしゃるお客さまもいらっしゃるため、傘立てを出す日は傘立てに付く要員も配置します。


ほんの小さな誰もお気づきにならないようなことですが、少しでもお客さまのお足元の安全やご安心、ご満足をと思っております。


他に出演者の方も、楽器を持参される方はお嫌でしょうし、お客様の入りも少ないだろうかと考えます。ホールの中の湿気も上がるだろうと、きっと受け持ちの部署で調節に気を配っているのだろうと思います。


一方で家でお留守番の我が子たちは大丈夫かということも少し頭をよぎりますが、たいてい公演中はすっかり忘れてしまっています。


そうやって台風の日の演奏会を迎えますが、それでも、たいていはあまり普段と変わらずに静かにコンサートは進行してゆきます。


(今日は台風どころか、マチネ公演の間はほとんど晴れていました。みなさまにお楽しみ頂けてよかったです。)


雨の日はお足元が滑りやすくなっていることと思いますし、遅れそうになったりしても、また、階段やエスカレーター、スロープでも、くれぐれもお気をつけくださいね。


「台風だけど、やっぱり今日は来てよかった。」そう思ってお帰りいただけることが一番の願いです。


被災地の方々のことも大変気になります。せめて、ご無事を心から祈っております。