コンサートホールのマナーについて、だいたいおおまかなことはお伝えできたのではないかと思うこの頃。同じことを角度を変えて繰り返しお伝えしていくこともまた、啓蒙活動(大袈裟?)のうちと思いますが、新たに一つテーマ「事件簿」を加えてみました。
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開場中のことです。
「トイレで人が倒れていますよっ」
お客様が、近くのレセプショニストに急ぎ、教えてくださいました。即刻駆けつけ、対応します。一見、救急車!?というご様子なのに、ご本人は大丈夫ということです。
直接対応したのは私ではありませんが、騒ぎの間、担当を外れたスタッフのフォローに回りました。
別のレセプショニストが、お客様のチケットの席番に行き、付近にお連れ様がいらっしゃらないか、探します。いました倒れていたのは男性のお客様。お連れ様も同年代のお客様で、お友達のようです。
「あぁ…。大丈夫ですよ。よくあるんですよ。」
全く動じない様子で、まるで他人事のよう。普通なら、せめてトイレにまで駆けつけて心配しますよね。びっくりです。きっと、「でも…」という会話がやりとりされていたことと思います。
その後、倒れていたお客様もお席にお戻りになり、何事もなかったかのように公演を楽しんで帰って行かれました。ハッピーエンド
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こんな、サラっと書いてしまいますと何でもないようですが、私たちはもちろん、トイレに居合わせた人にも緊張が走りました公演中もずっと、さり気なく気にかけていて、終演後問題のないご様子でエントランスを出られるそのお姿を拝見するまでは、目が離せませんでした
ことの顛末は…。
倒れたご本人も、お連れ様も、お二人ともお医者さんでした。だから、本当に大丈夫なこともわかりましたし、何かあれば、よく状態をわかっているお連れ様が診てくださいます。「医者の判断で許可をもらい、鑑賞しても大丈夫です。」ということだったのです
周囲のお客様も心配で、「何で救急車呼ばないの?」と思われていた方があったかもしれません。もう何年か前のことで、記憶にはありませんが、そうお尋ねになった方がいらっしゃったなら、訳を知ることができたことでしょう。
何でもお気軽にスタッフにお尋ねくださいね。このような緊急事態でなくても、公演を楽しめない気になることはまず、お声掛けくださいませ