演出~ハイドン | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

あるハイドンの交響曲ばかりを集めた演奏会で、曲そのものの演出とは別に、「面白いな~」と思った演出がありました。「うかつ者」「冗談」「驚愕」「告別」の、有名どころを集めたプログラムで、それはラストの終演間近の出来事でした。


皆さまもご存知のとおり、「告別」とは演奏者が一人、また一人と退席していって、最後は指揮者tとごく一部の奏者だけになってしまう(残るメンバーは演出によってパターンがあります。)というユーモアのある曲ですが、お決まりの演出でだんだん暗くなっていき、演奏が終わったらそのまま一旦客席の電気を真っ暗にして、次に灯ったら終演、という打ち合わせでしたメモ。(その曲の背景はここでは割愛させていただきます。)


ところが、たまたま下手(舞台の左側)通路に居た私のところに、まだ演奏中なのに中から人が・・・!バタバタ、ワイワイです。それは舞台から退席した出演者たちでした。客席にうるさいのではないかと、注意のタイミングをみていますと、みんな通過してしまいました。(小編成のオケなので。)


「みんなこの企画知ってるの~?」

「わかってるかな~?」

と、口々に半分叫ぶようにダッシュです走る人


お客様が、

「なぁ~んだ。アンコールは無かった・・・しょぼん

と、少し残念がって客席を後にすると、ロビーで出演者がお見送り、という粋な演出です。お客様も嬉しいサプライズになったことと思いました。


打ち合わせ外のことで、たまたま一部始終を目撃した私はとても楽しい想いをさせていただきましたが、でも、このような演出をなさることがある方は、くれぐれもお静かにご移動くださいね!にひひ