あるコンサートホールの照明さんからお伺いしたお話です
「なるほどな~。」と思いました。発表会などで役に立つお話です。
ホールを借りて演奏会を開くとき、折角だからと使いたくなるのが照明です
ただ・・
色を使うということは、演奏自体に聴衆に、どうしてもある程度の固定観念を与えてしまうそうです。色の持つイメージの力です。純粋に、演奏者の伝えたいもの、作曲家の伝えたいもの、聴衆が自由に感じ、受け取りたいもの・・・
伝える側と受け取る側と、どちらにもある自由が制限されてしまうのは残念なことですね。
花や飾りなども同じことが言えます最近は香りの演出なんていうことも聞きます。
もちろん、コンセプトがあって敢えて演出したいプロ演奏者の方はいらっしゃることと思いますが。そうではないシンプルなリサイタルや発表会では絶対にお勧めしないという信念をお持ちのその方も、仕事の先輩に教わったそうです
どんなにそう言っても、どうしても照明で色を使いたいと引かないお客様(ホールの借り手)に、とても残念な思いをされるようです
ロシアの作曲家、スクリャービンは1910年に照明を指定している曲を書いています。
交響曲第5番 「作品60 プロメテウスー火の詩」
「色光ピアノ」を使うそうです
色光ピアノという装置は、初演の時には装置の故障で実現しなかったそうですが、その後、日本でもキーボードを使用したりなどして演奏されています。
自筆のスコアにどんな色であるか指示があります。それも「さざ波のような月光の色」というような指示が本当に細かくたくさんあるようです。スクリャービンは視覚的に訴えることも曲の、表現の一部としていますが、この場合、作曲家自身の指定があります
照明を使うも使わないも、意思をもって、ただ「借りたホールにあるから使わないともったいない、使ってみたい。」ということのないようにすれば、表現したいことに近づけるような気がします