会場準備~受付回り | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

演奏会会場の受付について、考えてみましょうひらめき電球

プロのレセプショニストは受付の仕事はしないのが普通だと思います。

たいていは演奏会の主催者がやるものです。


ここでは、私自身があちらこちらでお手伝いに入ったり、目撃して感じたりしたことの話になります。自主企画コンサートなど、全ては自分達だけで・・・という時に役立つと思いますアップ

受付というと、ある特定のイメージがあるのではありませんかはてなマーク

シンプルな机と椅子が出ている椅子

ご招待のとき立ち寄る足あと

当日券を扱っているがま口財布

etc


そうなんです。この単純なイメージだけで、机と椅子を出し、適当に必要な書類やチケットなどを置いておく・・・。案外、シミュレーションしないポジションですねショック!

お手伝いを頼まれても、当日開場直前に来てもらえば・・・。ということが多いです。

それでなんとか済ませることができるものかもしれませんあせる


ただ、一つ危険が潜んでいます爆弾何も考えずにそのように受付を出してしまうと、お客様を怒らせてしまいかねません。そんな場面を何度も見てきました。怒りに震えるお客様プンプンは仮にたった一人であっても、周囲の注目も浴びますし目、第一 出演者には関係のないところで、印象を悪くしてしまいかねません。


受付は、主に開場から開演までの約30分ほどの間に様々なニーズに応えなければならない場所なのです。チケットの取り扱い(特に現金が発生する場合は要注意)をしながらも、あらゆる質問に応え、文具の貸し出しなどの要求に応え 、差し入れのお預かりもし、「チケットを紛失した」「連れが遅れて来るのだけれど・・・」ということの対応を一気にするところです叫び


開場直前に受付の仕事に入る時は、急に椅子に座って始めることのないよう、事前のセッティングと打ち合わせだけはしっかりと準備したいところです。慌てずにあらゆるお客様の声に対応し、自分も終始笑顔で、お客様の笑顔ニコニコもこぼれるような演奏会会場の「顔」にしたいものです。ボランティアやアルバイトを依頼する側が集合時間に配慮しなければなりません。以下、具体的に述べていきます。



セッティング



♪どこに設置するか


会場によって、入口の状況が異なることをよく考えてみましょうひらめき電球

例えば、エレベーターの真ん前にエントランスが迫っている所、階段を下って正面ではなくすぐ横に目立たない入口があってお客様がわかりにくくて迷う所などではありませんか?

だとしたら、お客さまの流れはどうなるでしょうか?

お客様はどっちにたまってしまうでしょうか?

ここがホールですよと迷わずに来ていただきやすくなるように考えてみましょう。

受付はエントランスの右・左のどっちが適しているでしょう?

列ができた時、エレベーターや階段に危険ドンッはないでしょうか


♪掲示物


受付」と一目瞭然のものを出す。他、人数などに応じて、招待受付・預かり券受付・当日券売り場などを分ける、または一緒にするかどうか考え、用意。

一番列ができそうなものはどの方向に列を作る(誘導する)かまで考える。


ここが何の演奏会会場かわかるものを出す。

ポスターがあれば出し、なければチラシと「○○演奏会」というタイトルを書いたものとセットにするなど、工夫する。

余裕があれば美しく歓迎の意をこめた演出をする音譜



基本事項


♪受付リスト


招待客・預かりチケットなど、予め受付に立ち寄ることが分かっているお客様のリストを用意します。

それは、いざ「○○ですが・・・」といらっしゃったときに、お客様をお待たせせずにさっと対応できるものでしょうかはてなマーク


招待や預かり券など、また、50音順でないなど、ごちゃ混ぜになった名簿ではないですか?私は前もって受付の担当と決まっていて、事前に情報を頂ける場合は、自分で一覧表を作成します。アカサタナ行別の枠でくくったリストにしたりします合格


備考に情報を載せてありますか?

発行済みなど一目瞭然にできるチェック欄はありますか?


当たり前と思うようなこんなところで、いざ複数の人が同時に、あるいは次々にいらっしゃると、パニックになってしまい、失礼があったり いたくお待たせしたりということになってしまうのです。「事前に言ってあったのにむかっ」と、お怒りになるわけです汗


もし、受付でチケットをお渡しする対応があれば、お客様一人分ずつ神経衰弱のカードスペードのように(全部重ねないように)チケットを並べ、付箋に名前を書いて貼り付けておきましょう。もちろん、お一人で3枚という場合などは予め3枚1組にセットしておきましょう。しかも名簿と対応させ、担当者がわかりやすいことはもちろん、急に席を外しても、他のスタッフの誰が見てもすぐわかり、お客様の対応ができることを念頭においてくださいニコニコちなみに付箋はすぐに捨てずにおくと、引き換えた印にもなります。


同時にお金のやり取りが発生する場合は、釣銭の用意もお忘れなく¥



個人情報の管理


受付のリストなどに、お客様の個人情報が載っていますクリップ

机の上に放置したままにするなど、個人情報の漏えいには充分気をつけて、責任を持つことが肝心です。




プラスαの心遣い


♪気づき


お客様の大半は来場の際、受付のそばを通られます。死角になったりということもありますから、完璧には無理ですが、何か気になることのあるお客様があったら、真っ先に気付くことができる場所でもあります。


例えば、事前の情報なしに車椅子車椅子の方のご来場などがあると、すぐに動けるスタッフに伝達し、アテンドをお願いするという風なことです。ですが、わかっていながら他のお客様の対応中で伝言出来ないことも多々あるでしょう。そんなときは次にチケットを切る人も気付けるので、大丈夫ですが、できるだけ気配りはしていたいものです。この手の情報は①素早く見つける②すぐ近くの人に伝える③動ける人に来てもらうという連携プレーで、アイコンタクトもとれるくらいだといいですねラブラブ


♪会場のフロアーや座席表や、会場外の周辺図(特にトイレなど。開場前に待っている方がお尋ねになることも。)を用意しておくと安心です。


♪あるとより良い対応ができる便利グッズ


私が極めて個人的に演奏会のお手伝いをする時は、My受付セットを持って行きますカバンこんなものが入っています。(あまりにも細かくたくさんあるので、ここでは主だったものを紹介します。)


●セロテープ・ガムテープ・はさみ・・・これさえあればなんとかなる、大活躍必須アイ  テム

●筆記用具・・・自分で使うものの他、お客様に求められることも多いです。貸出用に別にご用意。

蛍光ペン→顧客リストにマーキングするなど、便利です。

油性ペン・・・これも何かと役に立ちます。

●ゴミ袋・・・意外とゴミが発生する割に、備え付けもなく困ることがあります

●付箋・・・大活躍!

大きな付箋だと、お客様から出演者へとお預かりしたものにお名前やメッセージをご記入いただけて、とても喜んでもらえます。

●電卓

●アルコールティッシュ

●ティッシュ1箱

●クリップ・輪ゴム


あればなお・・・

●時期によっては手指の消毒液(お客様にも使って頂けるよう)

●雑巾(実質ほとんど使いませんが、念のため)



♪心のこもった言葉



一般的に接客で使う言葉は省かせていただきます。

ここで言いたいことは、お客様一人一人にあった、真心のこもった言葉ラブラブ

ついつい、忙しさに紛れて笑顔を失ったり、しがちです。

お客様の目を見て一瞬の対話が出来れば最高です。


ご招待や預かり券など、予め受付に来られると聞いているのお客様へ

「○○様でございますね?お待ち申し上げておりました。」

「○○さま、本日はご来場ありがとうございます。」など

必ず、お客様はニコニコと喜んでくださいますニコニコ



♪報告


私が実際に対応したことのあるケースで、「こちらに向かう途中で体調が悪化してカゼ今日は聴かずに帰りますが、チケットだけ買わせていただきます。」という律義なお客様がいらっしゃいました。



こういう場合は出演者のお知り合いであることが推測されます。

一般のお客様なら、黙って買わずに帰られます。

受付はこのようなイレギュラーなことがしょっちゅう起こります。

個人的な演奏会であればあるほど、なおのこと 終演後には 出演者に具体的な報告をする必要があります。


終演後でない方がよいことだって、時々あります。

「今すぐ面会したい。」という、出演者にとってはVIPのお客様だっていらっしゃいます。突然会場に来られたなら、面会はできなくても、情報だけお伝えすれば後でMC中に「実は今日、この曲を作曲してくださった先生が、サプライズでいらしてくださっています。」などと紹介することも可能です。

とにかく、お客様には「少々お待ちくださいませ。確認してまいります。」と待っていただき、楽屋へ「こういう方がいらっしゃいましたが、どう対応しましょうか?」と、一報を入れることです。たいてい、このような場合は 出演者にとってはお待たせするのがそもそも失礼なこともあるようですので、空気を読んで素早く報告に行きましょうDASH!



特に急がないことは終演後落ち着いてから、

お名前がわかれば「○○さんが・・・」という報告を、わからなくても、「ご高齢の男性が、開場が遅れたことにご立腹でしたが、お話をしながら待っているうちに、ご機嫌を直され、帰り際にはお礼まで言っていかれましたチョキ」など、なるべく会場の様子が伝わるような報告をするといいですね。


また、帰りのエントランスで「○○(曲名)がとてもよかったねラブラブ」という会話を多く耳にしました。などというものでも出演者には大切な情報です。


受付に限りませんが、お客様の態度や会話など、小耳に挟んだこと、等々会場の様子を報告できると出演者には有難いことだと思います音譜