「どのくらい練習すると○○が弾けるようになりますか」というようなことをよく聞かれます。特に大人の方の場合は、憧れの曲が具体的にあることが多く、○○に入るのは「エリーゼのために」とか「ラ・カンパネラ」とか「幻想即興曲」など、いわゆる名曲のタイトルだったりすることが多いです。
例えば1年後に弾けるようになりますよとか具体的に答えると安心されるのかもしれませんが、残念ながらそれはわかりません・・としかお答えできません。
現在どの程度の技術を持っているか、毎日どのくらい練習できるか、人によってまちまちですし、その毎日の練習の進め方も人それぞれのペースがありますし、どのくらいの期間練習すればこの曲が・・というのは本当に個人差があります。

 

ホームページ・・http://dolceps.web.fc2.com

やっぱりこういうのは子供の頃に始めないと無理なのだろうかと思ったり、どうしても家事や仕事が優先なので練習の時間がなかなか確保できなかったり、練習できたとしても思うように弾けなくて情けなくなったり等々、最初に抱いた希望を萎えさせるような要素は身の回りにたくさんありますが、それでも細く長く続けていければと思えるその気持ちは、かえって子供の頃から漠然と続けてきただけの人より強かったりします。その精神面の強さは前に進むための原動力になると思っています。
私も大人の生徒さんの場合は特に、一人一人の生活スタイルを尊重するように心がけています。

常に目の前に、弾けるようになりたい曲があるということも、習っている人ならではの状況です。そういう状況をちょっと楽しめたりするのも大人のメリットです。
 

ホームページ・・http://dolceps.web.fc2.com

筋肉の柔軟さや耳の良さ、覚えの早さでは基本的に幼い頃から楽器を弾いてきた人にかなわない部分が確かに多く、大人になってから習い始めた人はその辺をものすごく気にされているようです。
でもそれを上回るくらいのメリットを大人の生徒さんは持っていることが多いです。ピアノへの憧れ、ピアノに触れている時間の集中度、自分はこの部分がこういうふうに苦手なんだと分析できる冷静さなど、年齢を重ねてきた人間だからこそ優れているところがほかにたくさんあります。
例えば昔は嫌々習っていたけどまた新たな気持ちで始めてみようかなとか、うちの子が昔使っていたピアノが残っていてもったいないから今度は自分が音を出してみようかしらとか、今まで全く触ったことなかったけどなんとなく自分にもちょっと弾けたらおもしろいかもとか、きっかけは人それぞれですが、生活の中にピアノを組み込んでみたら素敵だろうなという希望を抱くところからスタートするという意味で、あらゆる趣味が楽しめて選択肢の多い今の時代、よくぞそういう方向に考えて一歩踏み出してくださったと私は感激するのです。

 

ホームページ・・http://dolceps.web.fc2.com

昔、大人の人がピアノを習うことなどほとんどなかった時代がありました。
私が子どものときに一人だけ先生のところに通ってきている大人の人を見たことがありますが、大人用のテキストがなく、その人はバイエルを1番からやっていました。
時代は流れ、今、大人用のテキストは膨大に出ています。知っている曲を盛り込んだり、名曲を簡易にアレンジしたり、老眼でも見やすい大きな譜面だったり・・。
その中で私があまり使いたくないのは、音符に振り仮名が振ってあるものです。かなりご高齢の方でしたら別ですが、20~60代くらいの方だったら音符の読み方をマスターしてしまったほうが後々絶対楽です。
最初の頃は少し大変かもしれませんが、多少時間はかかっても、できるだけ覚えていただくようにしています。
楽譜の読み方をマスターしておいたほうが、後で何か弾きたい曲の楽譜を買ってきたときなんかに、結構自力でも読めると思います。そうなると楽しいと思いますよ。

 

ホームページ・・http://dolceps.web.fc2.com

私が感心するのは、長いこと淡々と続けている方です。その方はお仕事のこともありあまりご自宅での練習にも時間が割けないようです。それはわかっていますが、これまでに全く、曲について、難しいとか、大変だとか、なんで弾けないんだろうとか言ったことがありません。そのことだけでもすごいなあと思います。
実はそのような淡々とした姿勢、黙々とやる静かな根気がとても大切です。
これから習い始めようという方に、根気が必要ですなどとは言いたくはありませんが、実はこれまでの経験上、一番大切なのはそこかなと思っております。

 

ホームページ・・http://dolceps.web.fc2.com