人類のターニングポイントを迎える上で、お隣の国、中国にどう向き合うのかという問題は避けて通れません。
1月13日台湾総選挙が迫ってきていますが、これは全く他人事ではなく、日本の命運にも関わってきます。
中国は、台湾侵攻を本当にやるだろうか? ということに関しては様々な意見があります。私はこう見ています。しばらく前に、中国の国防相、外務相、そしてロケット軍の幹部が更迭されるということがありました。表向きの理由とは別に、私の推測ですが、軍事侵攻について、無理であるか、可能であったとしても犠牲が大きすぎると考えた人々が解任されたというのが真実ではないでしょうか?
つまり内部でもおそらく動揺がある、しかしながら、台湾の対岸にあたる福建省に数万人が収容できる巨大病院を建設しているなど、明らかに相当規模の戦闘を本気で想定していると思われる動きもあります。
習近平もおそらくは、軍事侵攻のリスク、犠牲の大きさは認識しており、できれば避けたいはずなので、台湾総選挙では、どうしても国民党を勝たせたいはずです。そのために相当規模での工作活動を行なっているようです。認知戦というそうですが、様々な情報を流すのです。
中でも「民進党が勝利すれば武力侵攻が起こり多くの犠牲が出る」というのは、恐怖感を引き起こすものだと思います。国民党が勝利してもすぐに中国に統合されるわけでもない、戦争になるよりいいのでは? と考えさせるのが狙いだろうと思います。
今のところ民進党の優勢が伝えられていますが、民衆等支持者が土壇場で国民党支持に切り替えることは十分あり得るので、国民党が勝利する可能性は十分にあると私は思います。
もしそうなったとして、果たして平和的に統合が進むのかといえば私はそう思いません。香港の場合は、もともと租借地であり、1997年に中国に返還されるのは分かっていたことです。それでも、2020年から香港国家安全維持法の施行による言論弾圧が本格化すると、香港からの脱出が加速し、すでに20万人以上、富裕層、若者、高学歴者などが流出しています。
台湾の場合、香港以上に、「台湾人」というアイディンティティや民主主義意識が強いように思えます。人口の香港の約3倍です。穏やかな方法で簡単に統合できるとは思えません。それで、もし国民党が勝利した場合に起こりえる一つの想定を考えました。
国民党政権が発足したのちに、香港国家安全維持法に似た法律を作ろうとし、特にその中では、台湾の独立を主張することを違法とします。すると、当然激しい反対運動が起こり、デモなども起こるでしょう。
そこで中国は、特殊部隊を潜入させて台湾軍の軍服を着させて、「軍の反乱」に見せかけて暴動を起こします。警察では鎮圧できないとなって、台湾軍が治安出動しますが、まるで台湾軍が反乱軍と戦っているように演出します。そこで中国は、「台湾当局は、治安を維持する能力がない」と批判し、台湾政府は、あろうことか中国に治安維持の応援を要請します。これで中国軍が堂々と台湾に上陸、しかし、反乱軍は、戦うふりはしながら逃げて中国軍の軍服に着替えて中国軍に合流、中国軍のおかげで反乱は鎮圧という演出をします。
その後、治安維持のためと称して中国軍が駐留、その間、「暴動」の参加者、協力者を次々に逮捕、この時に民進党の有力者、民主派、人権派など、中国にとって邪魔な者を一掃します。もちろん、全て冤罪です。
こんな筋書きなら、米軍も全く手出しはできないでしょう。間違って「偽装反乱軍」にエールなど送ってはいけません。暴動を支持したと見做される恐れがあります。
台湾が中国の手に落ちたら次は必ず尖閣諸島を取りに来ます。間違いありません。台湾侵攻に備えて増強された大軍事力で迫ってこられた時に、人が住んでもいない島々を守るために、アメリカ軍が、自衛隊が果たしてどこまで対応できるか? 全面的な軍事衝突までするか? 難しい問題です。
台湾に関しては、例えばこんな筋書きへの警戒も必要だと思います。
ところで、パーティー券の不記載問題というのがありましたが、それも問題ではあるのですが、もっと大きな問題があります。それは岸田首相らの政治パーティー券購入者に、一帯一路推進会会長はじめ、中国人の団体が名を連ねていることです。政治資金規正法では、外国人、外国の団体からの政治献金を禁止しています。その趣旨からいえば、当然パーティー券の購入も禁止なはずですが、なぜか抜け道になっているそうです。だから違法ではないとしても、これだけ台湾や尖閣諸島を巡って中国との関係が緊張している中で、ありえないのではないでしょうか? 岸田氏自身がそういう関係を切れないというのであれば、首相をやめるべきではないでしょうか?
そして、台湾の併合が進められると、香港から台湾に逃れていた数万人はもちろん、夥しい数の台湾の人々が脱出を図るでしょう。行き先としては、マレーシアやシンガポールなどが考えられますが、これらの国は中国に遠慮して受け入れが消極的なようです。すると行き先としては、アメリカ、カナダ、オーストラリア、そして日本が考えられます。
さて、そうなったとき、日本はどう対応するべきか、今からよく考えておかなければならないと思います。私個人としては、日本が自由と民主主義を掲げる国である以上、迫害から逃れてくる香港や台湾の人々が日本で安全に快適に生活することができるように配慮するべきだと思いますが、かなりしっかり準備が必要なので早く議論を始める必要があると思います。