坐骨神経痛 激痛と痙攣で歩行不能 そんな地獄からの脱出 その4 | 人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

超深層心理レベルから人生のステージアップをサポートします。カウンセラー、セラピスト歴は28年です。

 

坐骨神経痛が重症な状態を3回も体験した結果、坐骨神経痛の痛みにはいくつかの種類が入り混じっていて、それを感じ分けることが非常に重要だと分かりました。それによって対応が異なるからです。

 

1・神経圧迫の痛み

 

ヘルニアが神経に当たるほか、炎症や筋肉の硬直のために神経が圧迫されると考えられ、体重がかかった部分で神経痛が発生します。坐骨神経痛としては、この痛みがメインです。この痛みのために可動域の制限が起こります。

 

2・ヘルニア自体による結合組織などでの炎症の痛み

 

ヘルニアが生じると、それを免疫細胞が処理するために炎症が起こります。これは体の自然な反応で、この痛みは慢性的に続き比較的安定した、さほど強いものではありません。

 

3・血行障害の痛み

 

先の記事に書きましたが、ヘルニアが血管を圧迫し、炎症により凝血作用が働くことで血流障害が起こります。神経組織で栄養と酸素の不足が生じると痛み、または痺れが生じます。これもさほど強い痛みではありません。

 

4・血流回復時の痛み

 

体を動かすことによって血流障害を起こしていた部位に急に血液が流れることでも痛みが生じます。これは長い時間正座した後で立ち上がろうとすると、足に痺れるような痛みが起こるのと同様です。これはかなり強い痛みになる場合がありますが、時間とともに回復します。注意を向けると脈を打つような感じがあります。

 

5・筋肉の硬直の痛み

 

炎症や痛みが起こると筋肉が硬直します。硬直した筋肉は、伸ばそうとすると痛みが生じます。これはストレッチ運動を行い、伸ばす限界で痛みが生じるのと似ています。

 

6・痙攣の痛み

 

これは激痛になり、数十秒から長くて2分くらい続くことがあります。これが起こる原因は、おそらく血行障害のため筋肉に指令を送る神経組織でエネルギーが不足し、誤作動を起こすことです。体重を支えようとした筋肉で起こる場合が多いので転倒の原因にもなり最も激しくかつ危険な痛みです。

特に梨状筋が痙攣した場合それ自体の激痛に加え、この筋肉のすぐ下を走行する坐骨神経を締め付けるために、腰から恥全体に及ぶ激痛が走ります。

 

7・筋肉痛の痛み

 

筋肉の硬直が続いたり、痙攣が繰り返されたりすることで、筋肉自体が炎症を起こします。これは普段体験する筋肉痛と同じです。筋肉痛が起こるとますます筋肉は硬直し、伸ばしにくくなります。

 

坐骨神経痛では、実に多種多様な痛みを体験し、一体何が起きているのかわからないとそれで不安にもなります。このように分類しますと、3、4、7は、坐骨神経痛でなくても体験したことがある痛みです。

 

5、7の痛みは、スポーツを経験したことがあれば、冷えで硬直したり筋肉痛を起こしたりした筋肉を伸ばそうとすると最初は痛いですが、だんだん柔軟性を回復し、痛みが減少することを知っていると思います。坐骨神経痛を発症すると、朝起きようとするときに筋肉が硬直しています。この痛みに対しては、痛くない可動範囲でストレッチを繰り返すことでほぐしてゆくことができます。

 

4の痛みは、痛みとしては強いですが、時間とともに引いてゆきますし、本質的に回復の方向での痛みなので、悪いものではありません。この痛みを感じたら、動作を止めてじっとしていれば治ります。

 

3の痛みは、温めることで軽減します。また体を動かしているうちに血行が盛んになって軽減します。

 

1、2の痛みは、慢性的に起こり、急激に回復することはなく、悪化させなければ徐々に改善します。この痛みによって体に可動制限が起こります。

 

6の痙攣の痛みは最も危険な痛みです。体を動かそうとしたときに、この痛みの兆候が現れたら、その動きはやめて元の姿勢に戻し、痛みが始まってしまったら、じっとして痛みが治まるのを待つしかありません。

 

これは激痛ですし、繰り返すと筋肉痛も起こります。この痛みがおそらく立てなくなり、寝たきりになる最大要因に思います。この痛みをいかに避けるのかが大きな課題となります。

 

先の記事に書きましたが、これは低血糖時に起こりやすいので、血糖値が安定するようなバランスのとれた食事を心がけ、朝起きようとするときには、最低限の動きで、糖分を含んだ飲料を口にできるように用意しておくことをお勧めします。

 

私の場合は、酵素飲料と水とストローを必ず枕元に置いていて、起き上がろうとするときの最初のアクションの一つが、それを飲むことです。

 

このように、今起きている痛みがどの痛みなのかが見分けられれば対策ができます。インターネットで調べると、ストレッチ運動のやり方などいろいろな情報が出てきます。しかし、坐骨神経痛の症状や痛み方は、百人百様であると思います。みんなに同じやり方で効果があるとは思えません。そもそも、そのような体の動かし方ができない状態になっているケースが多いのではないかと思います。

 

一人一人パーソナルに自分仕様のケアのやり方を作るしかありません。その場合に、自分に起きている痛みがどういう性質の痛みかを見分けることが役に立ちます。そして、坐骨神経痛であればどの人にも役立つのが次の3つです。

 

・血糖値を安定させること、下がっているときには、糖分を補給して引き上げること。

 

・体を温めたり、可能な範囲で体を動かして血行を良くすること

 

・痛みが生じない体の可動範囲(これは刻々と変動します)の中でストレッチを行うこと

 

医師の処方以外に痛み止めを使いたい場合もあると思いますが、私の経験では、最近よく市販されている痛み止めの塗り薬はどれもほとんど効きませんでした。むしろ、古典的ですがサリチル酸メチルを含んだものが、効果がありました。

 

サリチル酸メチルには、炎症性プロスタグランジンの生成を抑制することで、炎症、痛み、凝血を抑制して血液循環を良くする働きがあります。坐骨神経痛の場合、この血液循環を良くする働きというのが重要なようです。

 

私自身はアロマセラピストでもあるので、天然のウインターグリーンの精油を含んだクリーム(製品名ディープブルーラブ doTERRA社)を使っています。これはジャーマンカモミールも含み、アレルギーやかぶれによる痛みや痒みにも有効と思われます。

 

もう一つは少しマニアックですが、バジルの精油も役立っています。主成分のカビコールメチルエーテル、別名エストラゴールには強力な抗けいれん作用があります。これは本当に痙攣を防いだり和らげる作用を実感しています。

 

他、とにかく神経系が良く働いて、ダメージから修復させたいので、ビタミンBコンプレックスも摂取しています。神経系がエネルギーを作り出しやすくためにビタミンB1、神経伝達物質を作りやすくするためにB6、神経がダメージから回復しやすくするためにビタミンB12と葉酸が役に立ちます。

 

坐骨神経痛は、非常に辛い症状です。そして、医師ができること、各種治療家ができることはありますが、問題の全部をカバーはできません。精神面での支えや前向きな考え,食事や栄養なども含めたまさしくホリスティックなケアが必要です。

 

私は、心理セラピストですが、もともとホリスティック・セラピストでもあります。その私が、坐骨神経痛という「持病」を抱え、自分で自分を観察しながら、病院での治療と、そのほかの治療と、自分でできるケアを組み合わせながら取り組んできたこの体験が、誰かのお役に立ちましたら幸いです。