坐骨神経痛 激痛と痙攣で歩行不能 そんな地獄からの脱出 その2 | 人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

超深層心理レベルから人生のステージアップをサポートします。カウンセラー、セラピスト歴は28年です。

坐骨神経痛の主な原因は、脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアですが、脊柱管狭窄症は、主に加齢により、椎間板ヘルニアは重労働やスポーツ、長時間のデスクワークによって腰に負担がかかるのが原因と言われます。

 

私の場合椎間板ヘルニアが原因ですので主にそちらについて説明します。私の場合、若い頃に肉体労働で繰り返し腰痛(診断名は、椎間板捻挫)になりました。おそらくそれが遠因であろうと思います。

 

MRIの映像では、確かに4、5腰椎間と、第5腰椎と仙椎間の椎間板がヘルニアを起こしているのが確認でき、痛みや痺れ、痙攣が起こる部位と支配神経が一致します。これが原因であることはおそらく間違いがないでしょう。

 

ただ、今の医学で、「椎間板ヘルニアが坐骨神経を圧迫することが症状の原因」と説明されていることには釈然としないものがあります。それでは、痛みが非常に激しい上に不安定であることが説明つかないように思います。

 

椎間板の成分がいわばゼリーのようなもので、坐骨神経に接触したからといって、それがそこまでの症状を引き起こすとは思えないからです。また椎間板ヘルニアが確認されていても全く無症状の人もいます。

 

世の中には、坐骨神経痛について、筋肉をほぐせば治るとか、骨盤を矯正すれば治るとか、瘀血を取れば治るとか、いろいろな見解があります。個人的な経験からすると、下手に筋肉をほぐそうとして悪化させたこともあり、逆に一番効果を実感したのは、鍼と吸い玉で瘀血を取る方法でした。でもなぜ?

 

それでいろいろ調べて考えた結果、これが真実に近いのではないか、この説明で全て説明がつくという見解がまとまりました。

 

まず、椎間板ヘルニアが坐骨神経を圧迫することが、直接の原因ではなく、むしろそれが血管を圧迫することで血流障害を起こすこと、もう一つはヘルニアを処理するために炎症が起こり、炎症性のサイトカインやプロスタグランジンが生じることで凝血作用によりさらに血流障害が起きると考えられます。

 

鍼と吸い玉で患部から吸い出した血が実際にどす黒く、すぐに固まったのを実際に見ました。これは凝血作用が働いていたからだと思います。血液自体が流れにくい状態になっていたということです。

 

こうした原因で、神経組織に酸素と栄養の不足が生じた結果、誤作動が起こり、筋肉の硬直や痙攣を引き起こします。これが繰り返されると筋肉自体にも炎症が起こり、炎症によって膨張した筋肉がさらに血流を障害します。

 

また、個人的な経験で最もひどい激痛を生じるパターンの一つは、梨状筋という腰を斜めに走行している筋肉が痙攣を起こした場合で、梨状筋のすぐ下を坐骨神経が走行しているので、痙攣自体も激痛を起こす上、坐骨神経を締め上げていると考えられます。これが腰から足にかけて広範囲に激痛が起こる原因としては説明がつくと思います。

 

つまり、血流障害と炎症→神経組織のエネルギー不足と誤作動→筋肉の硬直や痙攣→血流障害と炎症という悪循環が起こり、そのうち痛み物質が患部に蓄積されてゆくというモデルで考えると説明がつきます。そういう悪循環が行き着く、おそらく最悪の状況が痙攣による坐骨神経の圧迫というパターンです。ここまでくると、もはや立つことが困難になります。

 

悪循環をどこかで断ち切れればいいのですが、軽度であればなるほど、血流の改善や筋肉を弛緩させることが有効であっても、スパイラルに入ると改善しようとする試みがさらに状況を悪化させる可能性もあります。

 

そこで私が治療計画として考えたのは、まず全く立てなくなるという状況を今考えられる知恵を駆使して避け、ブロック注射で悪循環連鎖を一旦停止させ、少し回復を待って瘀血療法により、凝血、痛み物質などを除去し、血流を改善させたのちに、骨格や筋肉のバランスをとる根治的な治療に取り組むということでした。

 

坐骨神経痛は、重症化すれば現代医学の力も必要ですが、現代医学だけでは十分ではなく、東洋の伝統に基づく瘀血療法、手技療法などを戦略的に組み合わせる必要があります。

 

ところで、つい昨日、神経ブロック注射を受けた後、最大のピンチを迎えました。激しい痙攣が繰り返し起きるようになり、特に大腿二頭筋(腿の裏側)の筋肉までが痙攣を起こした時は、多分時間で言えば1〜2分くらいだったと思いますが、これまで人生で味わった最大の超絶激痛に思わず絶叫したほどでした。

 

鎮痛剤の座薬もあまり効かず、医師も看護師も困ってしまい、「これでは帰るのはとても無理でしょう、個室が1つ空いているので、このままストレッチャーで運んで入院しかないですね、その後、麻酔状態でMRIで診察し、治療方針を検討するほかないですね」という話になり、閉院の時刻が刻々と迫ってきました。

 

このピンチの脱出劇はまた続き。