この時季は暑くてたいへんだが、一方で学校が夏休みなので、通勤電車が比較的に空いていて(やや)快適だ。
児童・生徒・学生の諸君、やや涼しくなったころにまたお遭いしましよう。
部活の遠征で電車を利用する生徒諸君は、あまり一箇所(1ドア付近)に固まらず、おとなしく、(学割で乗っていることを自覚して)行儀よく乗っていただきたい。
・・・・・・。
さて、電動キックボードである。
@お絵かきオニ
今年2023年7月1日の道路交通法(道交法)の改正により、電動キックボード(以下「電㋖ボード」という。)に関する交通ルールが緩和された。
まさに㋖に刃物・・・、ならぬ㋖に緩和。
この道交法改正は、(まともな性善説の観点からは)理解不能だ。
そもそも以前から、電㋖ボードなどに乗ろうとする人間はどうかしてる、と想っていた。
どう見ても、どう考えても、危険でしかない構造のツールに命を預けるなんて、(強引な連想かもしれないが)、どこか惑沈に似ていやしないか。
おれは当初から「こんな剣呑な惑沈なんか打つやつはそうそういないだろう」と想っていたのだが、眼のまえにちらつかせられた「恐怖」に煽られ、相当数のひとが接種してしまった。
それと同じ様に、「こんな危なっかしい“乗り物”もどきに乗ろうとするやつなんか、そうそういないだろう」と想っていたら、ところがどっこい、パリの軽薄なジャンだかジェンヌだかの真似のつもりか、得意顔で利用しているやつが湧き出てきた。
どうしてこの危険性が解らないのだろう、という感想は、率先して接種に赴いたひとたちにたいするときと似通っているし、どちらも目先の「安心」もしくは「利便性」に飛びついている、という点で共通している。
電㋖ボードに乗る「運転者」自身にとっての危険性は次の二点で充分だろう。
・タイヤが小さい。
・立って乗るので不安定。
タイヤが小さいということは、ほんのちょっとした凸凹や段差、小石でも操作不能になったり、転倒したりするということであり、立って乗っているため、そういった場合でも、ますます制御が困難になるということだ。
@ちょこバナナ
もちろん、その制御不能は本人だけに留まらず、歩行者、自転車・自動車の運転者にも深刻なレベルで波及する。
電動キックボードの衝突実験【JAFユーザーテスト】
にもかかわらず、道交法の改正によってその危険性が拡大された。
この規制緩和を「気楽に乗れるようになって快適」などと解釈しているひとは、「惑沈を接種すると旅行割引特典がもらえて嬉しい」と言っているひとと思考パターンが同じである。
改正前は、運転するのに「原付免許」、もしくは「普通二輪免許」が必要だった。
どちらが必要かは、電動式モーターの定格出力によって区別されるが、どちらにせよ、二輪を乗るのと同等の免許が必要だったのだ。
また、「自転車道」「歩道」「路側帯」の通行が禁止されており、乗車用のヘルメットの着用も義務付けあれていた。つまり、これも二輪と同じ規制である。
その他、「制御装置」「前照灯」「後写鏡」など、保安基準に沿った装備を備えていることや、自賠責保険への加入、ナンバープレートの取り付けが義務付けられている。
改正後は、一定の基準に該当する電㋖ボードが、「特定小型原動機付自転車」(今回の改正で創設された区分)に分類され、運転免許不要等の新しい交通ルールが適用される。
(ここに「特例特定小型原動機付自転車」という別の区分があることが、ややこしさを増幅させている)
警視庁ホームページ「特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)に関する交通ルール等について」
変更一覧表@セルロイド・ブルー
免許不要とすることで、交通ルールを知らない者が運転可能になるという危険性が高まる。
「免許は不要だけど、ルールを理解して安全に乗るように指導・案内している」という警察の言い分は自己撞着以外のなにものでもない。
だったら、「ルールを理解している」という証のために免許制度を適用すればよいではないか。
@kazuya
無免許だとこんな乗り方をするひとも現れるかもしれない。
さらに怖いのは、歩道の通行を可能にしたことだ。
たしかに、電㋖ボードで歩道を通行するには、複数の条件をクリアしていなければならない。
一覧表@セルロイド・ブルー
特例特定小型原動機付自転車の基準を全て満たす場合に限り、歩道を通行することができます。通行することができる歩道は、全ての歩道ではなく、「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識等が設置されている歩道に限られます。
警視庁ホームページ「特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)に関する交通ルール等について」より。
特定小型原動機付自転車が歩道を走行できるのは、特例特定小型原動機付自転車の基準と同等の速度制御機能を発動させたときに限られる。
その「特例特定小型原動機付自転車の基準」とは、
「時速6キロメートルを超える速度を出すことができないこと」
「最高速度表示灯を点滅させること」
である。
とはいえ、警視庁のお題目がどこまで守られるか、疑問である。
実際、数日前に会社から出たところの歩道を、短い距離ながら走行していた電㋖ボードを見かけた。
この標識がある歩道でなければ走行不可なのだが、少なくとも、おれが歩いていた歩道にはこのような標識はなかった。
しかし、「歩道も走行できる」というイメージのみが先行し、勘違いしている運転者も少なくないと思う。
また「条件」にあるように、歩道を走行している電㋖ボードは、すべて6km以下の速度で、かつ緑色のライトを点滅させている“はず”なのだが、それを歩行者がいちいち確認できるだろうか? ということであるし、緑で点滅する「最高速度表示灯」のことなど、知っている歩行者のほうが珍しいだろう。
本質的な問題は、例によって、こんな法改正(改悪)がどうして断行されたか、ということである。
利権がからんでいるのは言うまでもないが、マイナンバー法、LGBT法につづいて、またしても国民の安全を「損なう」ような法律が制定されたのだ。
内からも外からも日本人の「頭部損傷値」を上げ、どこまでもどこまでも日本国民をグズグズにしようとしてくる輩。
グズグズなのは、大阪万博のパビリオン建設予定地の地盤だけでけっこうだ(笑)。
さて、来週はいよいよ夏休みである。
今年も田舎に帰省する予定。(その場所がどこなのか。機会があればこのブログで公表する)。
ブログも一週休もうかな。
くれぐれも、電㋖ボードに引っ掛けられて怪我などしないように気をつけましょう!