実践的なレッスンが書かれていると同時に、文学、サブカル文学の批評の書でもある。
小説の新人賞に応募しようとしている人や、小説の公募の類が気になる人、うっかり小説の専門学校に入っちゃった人などが対象と言うハウツー本なのだが、一般的な小説の書き方の教本とは少し趣がことなる。
物語の体操と名うっているだけあり、所謂お話を作ろうとする人のトレーニング本なのだ。
タロットカードのようなカードを使ってお話を作る方法から、盗作(サンプリング)について考え、物語の構造へと入っていく、仕上げの小説を書いてみるステップでは、近代文学とサブカル文学の成り立ちと意義を考えさせてくれる。実にインテリジェンス高い小説ハウツー本であると言えると思う。
私のベスト創作読本の一つで機会があるごとに読み返している。
大塚英志はこれ以外にもたくさんの小説の教則本を出しているが、この物語の体操は最初の一冊にぜひお勧めである。
小説を書いてみたい、あるいはもっとプロット創りをステップアップしたいと言う人に自信をもってお勧めできる教則本である。
興味があればぜひ一読してほしい。
物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)/大塚 英志

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