1976年に群像新人賞を受賞して、後に芥川賞を受賞した作品です。もうだいぶ古い作品ですね。
東京の米軍基地の町、福生市を舞台に、若者達がドラックにおぼれ、フリーセックスと暴力にまみれた生活をするさまを淡々とした客観的な文章で綴った作品。当時の文学界に大きな衝撃を走らせた。
私の個人的な感想をいうとちょっと難解でしたね、文章が難解とか話の筋がわからないと言うより、その清潔とさえ言われる文章がなかなか頭の中で像を結ばないとでも言いましょうか。
客観的すぎてなかなか感情移入できないといった感じです。
主人公のリュウの気持ちはわからないでもないですし、普通の等身大の青年であるのですが、やっぱり難解でした。
描写は細かくて、丁寧です。にもかかわらずどこか現実感が無いのが特徴でしたね。
しかしこの文体の独特さは一見の価値ありといった感じです。
大衆小説にも多くの文学にも古典文学にもこんな味わいの作品はないようにおもいます。
まさに芸術作品っぽい小説でした。
コレを読んじゃうと村上春樹さんなんかもっと大衆小説っぽいんだな~としみじみ感じました。
まあぶっちゃけると村上春樹さんの作品の方がずっと面白いですけどね(笑)
ちなみに村上龍自身が監督、脚本を担当して映画化もされているらしいですが、興行成績は惨敗だったらしいです。
たしかに話の筋じたいは何でもないお話ですからね。
おなじ村上龍でも五分後の世界とかとはずいぶん違います。
でも小説って物の存在意義だとか、芸術って何だろうとか色々考えさせられる作品でした。
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