昨年イベントにて、対談させていただく機会をいただいた、

「人文系私設図書館 ルチャ リブロ」を運営されている、

思想家の青木真兵さん。

 

「土着の知」をキーワードに、著者の青木さんと、志を同じくする

研究者の方々との対話の記録で、闘うために「逃げる」という、

「闘う」「逃げる」の2つの原理を〝行き来する〟という

凄く斬新な発想から、社会の中でのアジール(避難所)を、

自分たちの手作りで確保していくためのヒントが満載の

『手作りのアジール』は、後にオンライン読書会の課題本

に選ばせていただく程、刺激を受けた1冊でした。

 

そんな『手作りのアジール』は、対話の記録なので共著という位置付け

でしたが、『手作りのアジール』の出版から3年。

 

これまで、共著本がメインでしたが、初の青木さんお一人で「土着」を

テーマにした単著『武器としての土着思考』が発売になりました。

 

青木真兵さん最新刊!

◆『武器としての土着思考』

ご注文はこちらから↓

https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=181371851

 

 

はっきり申し上げて、この本は間違いなく、今年2024年に影響を受けた本

になることは確定で、最初から最後まで共感しかなく、どの部分を紹介していいか、

いい意味で分からなくなるほど、素晴らしい1冊だと感じました。

 

この先の世の中に対しての指針の一つとして、いつも大切にしているのは、

「地に足をつけること」なのですが、この本で青木さんは、

「資本の原理が支配する世界」と、資本の原理ではない「別の原理」という、

社会の内と外を行ったり来たりしながら、自分にとっての「ちょうどよい」

を見つけて、身につけることを「土着」と考えられていて、

このバランス感覚が最高だなって改めて思ったんですね。

 

世の中が揺れ動いている中で、動じないという意味での地に足をつけるというよりも、

2つの原理を行ったり来たりできる余裕を持って、自分に無理のない選択ができる

「柔軟性のある土着」というのは、自分の中での強さと弱さだったり、

様々なことに当てはめられるので、年齢や職業などを超えて、皆さんに

必須の考え方ではないかと思いながら、僕は読んでました。

 

「僕たちはどう生きづらいのか」、「僕たちが図書館をする理由」、

「東吉野村で「二つの原理」を考える」、「渡世人として生きていく」、

「土着人類学を通してこれからを考える」という章立てで、

生きること、住むこと、働くこと、社会についての見方、あり方などなど、

「ちょうどよい」を見つけるヒントが幅広いテーマで書かれているので、

青木さんの本が初めての方にも、まずはこの本から読んで欲しいです。

 

以下は、僕がこの本のグッときた文章です。

 

「現代社会の内側で思考しているうちは、すでに価値が決まっているもの

(商品)の縮小再生産を繰り返すだけです。一度社会の外に出て、

物質自体の価値を自分の感性によって吟味すること。

それはつまり価値判断を他者に委ねるのではなく、自らの手に取り戻すこと

を意味します。自分にしか判断がつかないから、その物質の価値を見いださねば

ならないし、他者にていねいに説明する必要も出てくる。

そういう意味で、僕は社会の内と外を行ったり来たりする

「土着」が重要だと思っています。

 

土着することは自分の感性を「手づくり」することでもあります。たぶん自分の感性は

資本の原理との終わらない闘いを通じて、時間をかけて手づくりしていくものなのです。」

 

「実態経済、現実、ローカル、アナログが「地に足をつけること」で、

金融経済、仮想、グローバル、デジタルが「飛び立つこと」を意味するわけではありません。

僕の言う土着することとは、その状況に応じて適した手段を選べるということを意味します。

だから、例えば山村で狩猟採集と炭焼を中心とした自給自足の生活を行い、インターネットや

携帯電話に頼らない生活を土着することだとは考えていません。反対に、都市に住みながら

商店街の馴染みの個人商店で買い物し、銭湯に行ったりして地域経済の中で生活することは

十分に土着することだと思っています。

自分にとっての「ちょうどよい」を見つけ、手放さないこと。そのためには手段を選ばない。

これが土着することのなのだと思っています。」

 

気になる方は、このタイミングで是非!

 

そして、今週末7月14日日曜日には、著者の青木真兵さんに読書のすすめまでお越しいただき、

『武器としての土着思考』出版記念トークイベントを開催します。

 

実は、青木真兵さんと僕は同級生でして、同級生ながら、「資本の原理」から逃れて、

「移住」を通して考え続けた青木さんと、「資本の原理」の真っ只中で、17年間、

書店という商売の世界で一貫して働き続けた僕という、ある意味、真逆な生き方を

してきたように見える2人ですが、僕としては青木さんの考え方には共感しかなくて、

そんな同級生同士で、前半1時間対談させていただき、

後半は皆さんとお話する時間になります。

 

本はもちろんなのですが、青木真兵さんにも是非一度会っていただきたいので、

リアル会場限定ですが、ご都合合えば、14日日曜日14時からの出版記念イベントも、

ご参加お待ちしています!

 

◆『武器としての土着思考』

出版記念トークライブ 

日時:7月14日 (日)14:00〜16:00頃

前半:筆者 青木真兵さん × 読書のすすめ小川 対談トークライブ

後半:筆者 青木さんを交えて皆さんと対話

◎参加費:2,000円(税込)

*参加費は会場にてお支払いください。

◎定員:限定20人

◎会場:読書のすすめ

東京都江戸川区篠崎町1-7-5

お申込専用フォームはこちらから↓

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