発売後すぐ、皆さんにも大人気!

料理研究家 土井善晴氏と、政治学者 中島岳志氏の異色な組み合わせの共著『料理と利他』発売から2年。

 

「『料理と利他』の続編が秋に出ますよ。」というお知らせをいただいていましたので、心待ちにしていたのですが、今月10月に発売になります。しかも、『料理と利他』続編にして、深化〟版!

 

※リアル書店限定で、10月21日の発売に先駆け10月15日頃に先行発売させていただくことになりました。

 

内容はというと、もう読む前から分かってはいましたが、やっぱり面白くて一気読み!

 

対談の本なので話し言葉で読みやすく、かつ「なるほど、そうやって考えれば、もっと楽に自然にできるのか!」と、料理の知恵から生き方、日々の生活、政治への視点まで、書名にもなっている「ええかげん」というテーマが、まるで凝っていた身体を柔らかくするように、柔軟に視野を広げてくれる読書体験が、今回も何とも心地良いんです。

 

第1回 利他のコンディション 

第2回 「ええかげん」に気づく人になる 

第3回 ふつうはえらい

 

という、3部構成で土井善晴氏と中島岳志氏の安定の対談をたっぷり読めるのですが、この本の本質は、最初の土井善晴氏のまえがきに書かれているので、以下、一部引用させていただきます。

 

「「ええかげん」はええこと悪いこと、ぜんぶ含まれています。ええかげんのなかにぜんぶあるんです。そらそうでしょ。あなたと私のあいだにあることを言うてるんです。あなたが損して私ばかりが得してたら、あかんでしょ。だけどそれは、日によって違うし、事の成り行きによっても違うもんです。勝ったり負けたり、でいいと思います。

「イイかげん」はよくて、「ええかげん」はいけないみたいに言うのは、損得はっきりせなあかんて、社会が会社の取引のようになってきたからです。損得勘定のお金が関わる話は、一円でも、きちんとせなあかんことになっていますから。でも人間同士のことですから、ほんまはもっと融通が利くはずです。

そもそもですね......損か得かって、それは結果の話です。大事なことは結果やと思うから、しんどいんです。相手は損しても、うちは絶対損したらあかん言うたら、殺し合いになります。

今の私たちの生活で何が楽しいですか。

それは暮らしという時間のなかにあるものだと思います。それは結果じゃありません。生きている今を楽しまないとだめやと思います。なんでもない時間が楽しめないといけないんです。だからええかげんでいいんです。」

 

「河合隼雄さんが言うてはった「ふたつよいことさてないものよ」。ええことあったら、悪いことも必ずその裏にはあるもんです。

すべての人には「A面・B面」絶対あるのです。私は子どものころから、自分には悪い心があると知っていました。悪いこと考えたら、ええ善晴と、悪い善晴が小人の姿になって出てきて、頭のなかで喧嘩するんです。

悪い善晴は、たいてい楽なほうをすすめるし、ええ善晴は苦しいことをすすめてくるんです。悪い善晴の言うことを聞いたらだめでした。反省してももう遅い。痛い目に遭うまでわからないんですね。

―中略―

料理もおんなじです。自分と食材の関係性から生まれるものです。魚や、きのこや、ほうれん草、なんでもいいけど、やっぱりその野菜のこと思ってやらなあかん。料理する人が、俺の力でおいしくしたろ、早くつくろ、と思ってもうまくいかない。お料理は食材が主役です。

お芋にはお芋の時間があるので、人間のほうが合わせないといけないんです。その時間はお芋のコンディションが違えばいつも違う。お芋さんを見てあげてください。待ってあげてください。お芋がストレスフリーになったら、お芋が笑ってくれます。

私も「お芋も自分もおんなじや」と思えるようになるまで、ずいぶん時間がかかりました。

B面は本心じゃありません。B面はその人のほんの一部です。誰にでもあることです。

「ええかげん」のなかに、ええことも、悪いこともぜんぶあるんです。その関係が超複雑になったのが現代社会。白か黒かはっきりせなあかんことは、コンピューターに任せましょ。

人間は、間違うても、周りの人が補ってくれます。間違うたっていいんです。失敗してもいいんです。未完成の魅力がありますから。補ってあげましょ。応援してあげましょう。

一生懸命生活する人を愛おしく思います。一生懸命の道中楽しみましょ。まっ、結果はよろし、結果に縛られていたら何も変わりません。

ええかげんにすることは、自分で考えて自分で決めることなんです。」はじめにより

 

土井善晴さんも、中島岳志さんも、「ふつう」の目線を大事にされているので、僕たちにより身近で、分かりやすく、日常生活にも取り入れやすい視点が、流石の一言です!

 

もちろん、こちらの『ええかげん論』だけでもお楽しみいただけますが、まだお読みでなければ、前作『料理と利他』も一緒にお読みいただくことをおすすめします。

 

すでに、『料理と利他』をお読みの皆さんには、「この秋必読の1冊!」と自信を持っておすすめできる名著になってますので、是非!

 

10月15日先行発売!

『料理と利他』続編にして、深化

◆『ええかげん論』

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◆前作『料理と利他』

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