本との出会いというものは不思議なものです。

 

求めていた本が、ふとした瞬間に見つかって、実際に読んでみると、予想以上の内容で、あまりの面白さに、思わず半日で2回読みしてしまう程の嬉しい出会いがありました。

 

それが、こちらの『ことばの焚き火』です。

 

 

◆『ことばの焚き火』

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実は、去年くらいから「対話」に関する本を、ずっと探してました。

 

まさに「対話」を大切にされている、センジュ出版代表の吉満さんと開催させていただいている「読書てらこや」や、僕が言い出しっぺで始まった「センジュ出版 読書会」「対話型講演会」で、参加者の皆さんとご一緒させていただく度に、心地よい時間、空間の中で感じる、言葉にならないような、嬉しい流れやまるで温泉の中にいるような安心感を体験していたこともあって、自然と「対話」について考えるようになっていました。

 

実際に、「対話」というキーワードで本を探すと、方法論の本や専門的な本だったり、確かに沢山の本があったのですが、何というか、もっと本質的で、どなたが読んでも応用できるような。そして、「対話って何だろう?」ということを、皆さんと一緒に考えられるような本を、探しても中々見つからず、諦めかけた時に、ふっと目に入った『ことばの焚き火 ダイアローグ・イン・デイリーライフ』という本。

 

葉山の小さな出版社「ハンカチーフブックス」さんから発売されるという「対話」の本ということで興味津々で説明文を読ませていただいた瞬間、まだ読んでないのに「見つかった!」と確信してました。

 

以下、この本の本質が書かれた説明文なので、ほぼ全文引用させていただきます↓

 

ーーー

 

「ことばのアルゴリズム」の世界へようこそ。 

 

焚き火を囲んで、「ことば」を出し合う。 

「タイワ(対話)」は、先人たちの生み出したコミュニケーションの知恵。 

内側から立ち上がる「思い」を、ゆっくり炎にくべていくと、 いつの間にか、世界が変わる。 

「会議」が変わる。「仕事」が変わる。 「発見」がある。「創造」できる。 「家庭」が変わる。

「暮らし」が変わる。「学び」にもなる。 

 

焚き火に薪をくべるように、ただ「言葉を出す」だけで状況は変わっていく。 

くべられたことばが化学変化を起こし、 予期せぬ形でわかりあえたり、必要な答えが立ち上がってくる。 

 

「タイワ」は、みずから体験してみないとわからない。

「頭で食べる」ものじゃなく、実際に体と心を使って「味わう」もの。 

そんな「タイワ」を経験してきたそれぞれの著者の言葉を、 この本では、群像劇のように散りばめました。 

 

本を読んだら、あなたにとっての対話を見つけてください。 HOW TOを得るつもりで読んだ人は、

ちょっと戸惑うかもしれません。 

でも、私たちが体感したものを、そのまま伝えたい。

あまり加工していないそれぞれの物語を、ぜひ味わってほしい。 

 

味わってみることで、いまできること、やってみたいこと、つながっていきたいもの……、

どこかに置き忘れてきたDO(実践)の輪郭が、 自然と浮かび上がってくるはずです。 

 

★「タイワってなに?」を言葉にすると、たったこれだけ。 

 

(1)自分の中に生まれたもの(感情・言葉)を眺める。 

↓ 

(2)自分の中に生まれたものを外に出す。焚き火に薪をくべるように。 

↓ 

(3)同様に、他の人から出されるのを待つ。 

↓ 

(4)「ことばの焚き火」を眺めながら、場の変化を感じる。 

 

このプロセスを繰り返すことで感情は解放され、場が整い、 創発的なコミュニケーションが生まれやすくなります。 

 

大事なのは、自分のなかにあるイキモノとしての本来の流れを信頼し、 自動的に出力される「通路」をつくること。 

 

そう、ヒトという集合のアルゴリズムを信頼して、委ねる。 対話の本質の部分を、言葉にすることはできません。

 なぜなら、体験そのものがタイワだから。 

「体験」するための地ならしとして、 ぜひこの本を手にとって、その輪郭を感じとってください。

 ほんとは、こうしたかったんだ。ようやく思い出した。ダイアローグ(対話)が創る、みんなが主役の群像劇。

 

ーーー

 

この説明文いいですよね!

 

ラジオ配信で思わず音読もさせていただいた程にいい文章だなと感じてますが、この「焚き火に薪をくべるように、ただ「言葉を出す」だけで状況は変わっていく。 くべられたことばが化学変化を起こし、 予期せぬ形でわかりあえたり、必要な答えが立ち上がってくる。 」ことを現実として、この1年半程の読書会イベントなどで体験していたので、良い本であるのは間違いなく、出版社さんに電話させていただき、届いてすぐに読み始めました。

 

最初の一回目を一気読みして、

イラスト入りで読みやすく、「対話」の本質が書かれている上に、どんな立場の方が読んでもヒントが散りばめられている。

そして、今より少しでも心地よい関係性や、自分らしさを取り戻したい方に是非お読みいただきたい名著であることはもちろん、冗談抜きで、一家に一冊レベル!で、まさに「こういう本を皆さんと共有したかった!」と素直に感じた本。

 

※この本は、大澤真美さん、中村一浩さん、植田順さん、野底稔さんという4名の著者さんが、それぞれがお考えになる「対話」についてを深く掘り下げていく内容になっています。

いわゆるテクニックというものは、ほとんど書いて「ない」ですが、読んでいくうちに、「対話」をしたくなるし、人との関係、自分自身との関係の可能性の視野がきっと広がります。

 

すみません、あまりに嬉しい出会いだったので、長々書いてますが、実際に読んでグッときた文章は以下(4名の著者さん順)になります。

 

・「対話の海にダイブする」 大澤真美さんの章

 

「風や波は未来の象徴。感じとることで行き先が決まる。ーからだに刻まれた「過去」から流れを味わったうえで「現在」を捉え、「未来」の風を全身で感じる。変化していく世界とともに生きていくには、考えることよりも、まず感じることが必要なんだ。」

 

「ー対話に浸かってみる

自分の「いのち」の流れと、すべての生命の「いのち」の流れを感じて、ともに世界をつくっていくには、まず、自分自身の感覚を開く必要がある。未来は予測できない以上、感じなければ進めない。

その感じる力を思い出すために、対話をするんだ。対話は「いのち」の流れに触れ、感じる力を思い出し、自分と世界とつながる一つの装置だ。まずは対話に浸かってみる。最初はよくわからなくても、見えてくるものがきっとある。」

 

「どんな対話であっても「自分のことばで話す」こと。ー中略ー自分のことばを出すと、実際にどう変化するだろうか?たとえて言えば、ずっと蓋をされてきた「自分のことばを出す通路」を使って、自分自身とつながる感覚。対話によって通路が開かれる、と言ってもいい。」

 

「対話は、キャッチボールというより、場に出した波紋の広がり」

 

信頼によって安心な場を広げる開拓者になる」※この箇所もとても面白いので、是非実際に手に取って読んでみてください。

 

・「対話するってどういうこと?」 中村一浩さんの章

 

中村さんの章は、「対話が生まれるプロセス」とその後の「対話を理解する6つのキーワード」の箇所が面白かったです。

 

「対話が生まれるプロセス」

 

①対話の場に招待される(器に招かれる)

②いつもと違う場に戸惑い、不安を覚える(器の不安定さ)

③場になじみつつも、対話そのものの不安定さに戸惑う(器の中の不安定さ)

④対話の場に、ある一定の流れが生まれ始める(器の中の探究)

⑤※こちらは読んでからのお楽しみ!

 

「対話を理解する6つのキーワード」

 

特になるほどと思ったのは、

 

2、対話は「言葉」だけでなく、「気配・雰囲気・まとう空気」からも伝わる

6、対話には始点がなく、「みずから」と「おのずから」の間(あわい)から生まれてくる

 

その他にも、対話では、解釈せずに「吸収」するなど、注目ポイントは沢山あります。

 

・「対話のある生活」 植田順さんの章

 

「対話の可能性」

 

「私は、対話には①自分の不安を知るための対話、②自分とのつながりを思い出すための対話、③自分が大きな流れに含まれていることを思い出す対話、の3つがあると考えています。」

 

「③の自分が大きな流れに含まれていることを思い出す対話は、生命の躍動を感じるための対話です。」

 

「対話は、自然な自分に戻る場所。キーワードは、アジール、サンクチュアリ、いのちの根源、たましい」

 

・「湧き上がり、流れいく対話」 野底稔さんの章

 

「私たちは、相手にどう受け取られるかに神経をつかい、この場にふさわしいと思われる言葉を選ぶことに傾きがちだからこそ、まず先に光を当てるのは、いま自分の中で湧いてきている声の流れのほうにしたい。自分の中にあるもの、湧いているものをなかったことにはせず、いま流れているその言葉をひとまず出したいのです。

 

浮かんでしばらく経ってから出すのでも、制御して形を変えてだすのでもなく、できるだけ、いまの生きた言葉を出すこと。それを出すやり方を少しずつでも見つけ、それに馴染んでいくことができたら、言葉も私自身ももっと生き生きする。

言葉は体全体に反響するものでもある。

 

この後の「対話を誘う「枕詞」も、対話の一歩のヒントになるし、「言葉は体全体に反響するもの」というのも印象的です。

 

そして、編集長長沼さんが書かれた、この本が生まれた感動的な制作ドキュメントから、最後のこれまた必見のエピローグ、大澤真美さん著の「アワからウズへー自分のことばを失ったくにの物語」へと続いて、様々な視点から「対話」を読んで実践して、楽しめる1冊となっています。

 

最後の最後に、この本の後書きに書いてあった、出版にあたっての「覚書」を。

 

1、誰も手に取れる素朴で素直な本とする

2、すでにこの世界にある流れが、この本を通じて立ち現れる

3、エネルギー(生命力)が高まる方を選択する

4、「自分が自分である」ことを大切にする

5、お互いが「対等の立場」として声を出しあい、共に新しい世界をつくっていく

6、湧いてくる声は「世界の声」として大切に扱い、場に出しあい、誠実に対応する

7、形にする・言葉にすることを諦めず、出来うる限りにお互いが関わりあう

 

何か少しでも、ご興味があれば、是非皆さんもお読みください。

自分自身に、周りの皆さんに、今より少し優しく、自然体になる考え方やヒントが盛り沢山ですよ!

 

とても面白い本だったので、著者の皆さんと「対話」をテーマにしたイベントも企画したいと考えていますので、そちらもお楽しみに。

まずは、一緒にこの本を読みましょう!

 

◆『ことばの焚き火』

※基本的に白の帯の本をお送りします。

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