この本は、2022年の1月に出会った本の中で、間違いなく一番の本で、早くも今年2022年に影響を受けた本となることが確信できる程、刺激を受けた本で、だからこそ、ゆっくり時間をかけて読ませていただきたくて、ご紹介までに少し時間が経ってしまいました。

 

この本との出会いは、新刊を調べている時に偶然見つけた1冊で、書名からすぐに「これは!」と感じるところがあり、すぐに仕入れて読ませていただくと、予想通りどころか、予想を超えて視野を大きく広げてもらった1冊となりました。

 

皆さんご存知の通り、僕は普段、時事的な本というのはあまり読みません。

こちらの『まなざしの革命』も、少し読み始めると、コロナパンデミックを中心に、今僕たちが直面している事に対してのいわゆる時事的な話題がテーマになっているのですが、それらの事柄を良い悪い、もしくは、善悪で判断するのではなく、それよりも前の「まなざし」というものに注目して、様々な話題を展開しているところが大きなポイントです。

 

この「まなざし」という視点は、全く初めてで、この視点を知れただけでも、世の中をより冷静に見れるようになった感覚があるので、この本との出会いは本当に嬉しい出会いで、さらに投稿のシェアをいただいたことから、ご縁をいただき、すぐに出版記念イベントに足を運び、「直接お会いしたい!」と直感で動いてしまった程、衝撃の本との出会い、著者さんとの出会いでした。

 

著者のハナムラチカヒロさんは、風景のデザインをされている、ランドスケープアーティストとして活躍されています。

 

「ランド(土地や場所)+スケープ(眺め)」が風景になるという考え方から、同じ土地や場所でも、我々の目で見る眺めや意識(まなざし)が変わることで、まるで違ったものに見えてしまう「風景〝異化〟」という視点がとても新鮮で。

 

しかも、その見る者の見方が同じパターンを辿り続けていくと「まなざしの固定化」が起きて、モノの見方が凝り固まり、視野や意識が狭くなってしまい、場合によっては、自分自身で客観的にまなざしが固定化することにも気づかないことにもなるという、思わずドキッとすることも書かれていました。

 

「私たちが最も見えていないのは自分の見方である。私たちは自分が当たり前だと思うものは問題にしない。それどころかその存在にすら気づかないことがある。そしてその盲点を生み出すのは、自分は間違っていないという思い込みである。

だが、その盲点の存在に一度気づいてしまった瞬間、まなざしに〝革命〟が起こる。今まで見えてなかったことが急に違って見え、物事の見方が反転するのである。自分のこれまでの見方を知ったときの衝撃は大きい。急に状況が見え始め、文字通り、世界の見方が変わってしまう。

そのまなざしの革命は社会を変えるよりも〝大きな力〟を持っているのだ。いや、実際に社会すら変えてしまい、本当の革命すら起こる。

だから、今こそ変えねばならないのは、社会ではなく私たちのまなざしなのではないか。私たちは世界を変えることはできないが、世界の見方は変えられる」はじめにより

 

「迷ったら原点へ」という言葉もありますが、この後、「常識」「感染」「平和」「情報」「広告」「貨幣」「管理」「交流」というキーワードで、それぞれの本来の意味であるそもそもの(常識なら常識、貨幣なら貨幣の)原点」を思い出させてもらえる各章を読み進めるごとに、今、直面している事柄に対する「まなざしの固定化」から少しずつ解かれて、自然と視野を広げる体験ができる1冊となっています。

 

そして、最後の「解放」の章が、この本の〝核心〟であり、最後の落とし所が、思わず「なるほど!」と納得して気持ちよく読み終わること間違いなしで、是非皆さんにもお読みいただきたい内容です。

 

「最も難しいのは自分自身について見つめることである。何かにまなざしを向けるには、その対象物との間に距離が必要だからだ。身につけている服のように距離なくぴったりとくっついていると、その全体像を見ることができない。その服を風景として見ようとすれば脱ぎ捨てるか、鏡を使って距離を取らねばならない。

私たちが他者の行動や心がよく見えるのは自分とは距離があるからだ。だが、自分の内側に抱えている常識や概念、そして心の状態はあまりに近過ぎて見えない。

それは、風景や対象物として見えてこないので、ずっと意識できずにいると、まなざしが固定化していることにも気づかないのだ。

だから私たちは自分自身に対してこそまなざしを向けねばならない。それは見たい自分だけに目を向けることではないし、見たくない自分ばかりを見て嘆くことでもない。自らに対してありのままかさにまなざしを向けることである。

自分が何に囚われているのか。自分が何を愛し、何を憎み、何を信じているのか。自分に何が見えておらず、自分が何を見たがっているのか。そして自分は何を見たくないのか。

そうやって自分自身に真摯なまなざしを向ければ、本当は自分がこれまで見たいような自分しか見てこなかったことき気づくだろう。

ー中略ー

私たちに本当に必要なのは、誰かの救済を待つことでも、誰かを正すことでもない。自らで自らを診断し、自らの内にある問題の原因を突き止めて治療し、自らを救済することなのである。」第9章「解放」より

 

そして、この本の最後に出てくる「三つの「り」のまなざし」は読んでからのお楽しみで、最初の「常識」の章からちゃんと最後の「解放」の章まで読んで、この「三つの「り」のまなざし」の箇所まで来ると、きっと皆さんの中のまなざしにも革命が起きるはず!

 

今、まさに「まなざし」の視点が大事な時だと感じますが、こんなに良い本なのに、世の中的にまだまだ広まっていないとのこと。

 

先日のこちらのハナムラさんの投稿↓

https://note.com/flwmoon/n/n0a457b33c59e

 

 

 

を拝見して、思わず「応援させてください!」とコメントさせていただきました。

 

各地の書店に、著者のハナムラさんが実際に足を運び、写真にあるような、革命旗のPOPを書店ごとに違うメッセージを書きながら、地道に一歩一歩活動されています。

 

そんなお話をお聞きしたら、もう応援せずにはいられません。

これからも長くおすすめさせていただきたいと思いますので、よろしければ皆さんもお読みいただき、『まなざしの革命』の応援をよろしくお願いします!

 

◆『まなざしの革命』

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『まなざしの革命』は、外側から作られる「まなざし」とそこからの「解放」がメインテーマなのですが、表と裏のように、内側からいかにして「まなざし」をデザインしていくかをテーマにした前作『まなざしのデザイン』との合わせ読みもおすすめですので、内と外からの「まなざし」にご興味ある方はこちらも是非!

 

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