こうして、ボクチン達の方から出向いて行って、『彼』を倒し、ニジさんたちを止める
ということで、話はまとまり
さっそく、その日のうちに作戦会議がはじまった
ゼータさんの提案で
「まず・・・ごりっぺさんやニジさんのアジトは、私が調べます」
「なんさんのお手柄で、発信機が仕掛けられているので、その電波を追って特定できるはずです」
「アジトが判明した時点で、最適な作戦内容を私が連絡しますので、それまでは待機ということでお願いしたいのですが・・・」
なんさんは、お手柄をほめられて、気をよくし
「うん!それでいいと思う~、臭いにおいは元から断つ!!っていうしね!」
それを聞いて不満顔の部長は
「臭かったら、何にも遠慮せずに暴れられるんだけど・・・なあ・・・」
「むしろ彼らは、人を救うという大義で行動しているし・・・やりにくいんだよなあ・・・」
部長は諦めたようにつぶやく
「まあ、静かなること林の如し、侵略すること火の如しっていうしなあ・・・」
ゼータさんが話をつづける
「で・・・アナさんと負傷したドクロさんは、アーカムの医療班が護衛を含めて、セーフハウスで治療を受けてもらうとして・・・」
え?
「ゼータさん、ボクチンは行くんですよ?いっしょに闘ういますよ?」
ゼータさんは険しい表情を隠さずに
「ドクロさんは、ひどいけがをしています」
「もし、このまま作戦に同行したら、無事にかえってこれなくなります」
「雨露さんや、なんさん、他の皆さんのような、人を超えた力をおもちなら、まだしも・・・」
ボクチンはその一言に、ほんのすこしキレかけて
「それでも、いくんですよ!アナは体が治ったとしても、記憶はどうなるんです!」
「もし、キノコ人間の時の記憶を ボクチンらを襲った時の記憶が残っていたとしたら、どうですか!」
「そんな、可哀そうなことをされて、夫としてこのまま引くわけにはいかんのですよ!!」
ゼータさんも思うところがあったのだろう
「しかし!!あなたが行っても、失礼だが 何の役にもたたないんじゃないですか?」
「あなたは、ごりっぺさんを相手に何もできなかった!」
ボクチンは、なんとか言葉をひねりだそうと必死で考えるが
ゼータさんは、かまわずつづける
「ドクロさん、私も同じですよ」
「実戦部隊のスプリガンをささえる、工作チームとして 何度も前線で戦うアヤさんの背中をみてきたんですよ」
「自分の力の無さに嘆いてきたんですよ」
「あなたが、ここにいる とんでもない力をもった超人たちについて行ったって、ツライだけだとおもいますよ」
「知らなかった方が幸せだった、ということもあるんです」
ゼータさんの激しく昂ぶった姿と、その言葉をきいてアヤさんは複雑な表情をしていた
にらみあうボクチンとゼータさんの間に、たまねぎさんが割って入った
「ゼータさん・・・人は自分の意思で強くなることができるんよ」
「ドクロッチは私が鍛えるよ」
「絶対、ドクロッチにきてもらってよかったって、思えるように私が鍛えるよ」
部長もあわてて
「うんうん ドクロさんの力は必要だよ!!」
「もしかしたら、ドクロさんが僕たちの切り札になるかもしれないんだ!」
部長の言葉を受け、ゼータさんは目をつぶる
そして
「わかりました・・・」
「私がひくこととしますよ」
「しかし、たまねぎさんが鍛えるといっても、期間がかぎられています」
「かれらのアジトを見つけるまでに一週間」
「作戦遂行の準備で、さらに一週間」
「最短でも二週間しか時間がありませんので、忘れないでください」
ゼータさんの言葉に、たまねぎさんは力強くうなづきながら
つづく