バー「なんと」内
気まずい沈黙はいつまでも続いた
沈黙をやぶり口を開いたのは ゴリッペだった
「あの・・・ドクロ部長 すいません いまさらですが」
「こんなこといえる立場ではありませんが・・・大丈夫ですか?」
ボクチンは
「あ・・・う、うん まあ 死んではないので・・・」
「よかった・・・?です」
「けど・・・チミたち、その姿・・は?」
「え、ええ そうですね あなたがドクロ部長なら、こんな手段をとることもなかったです」
「申し訳ないです、キチンと話をすれば部長なら必ず、わかってもらえると思います」
「説明させてください・・・部長」
ここで唐突だが断言する
たまねぎ部のつながりは強固なのである
ボクチンは口の周りについた血をタオルでふきながら
「う、うん そうね じゃあちと 座って話でも・・・」
と
ここで
ボクチンの網膜に、とんでもないものが映った
それをみた瞬間からボクチンには、少々記憶が欠落している
凄まじい怒りから、我を忘れてしまったのだ
ここからは、後に雨露部長から聞いた話で補うことにする
ボクチンは、もともと座っていたカウンター席にゴリッペを座らせようと
手をのばした時、ミコシさんの手にあるもの物体を見た
高級そうな布にまかれた、作りのイイ箱だが
ボクチンが部長から受け取った時と、どうみても形がちがっていた
・・・
ぺっちゃんこだったのだ
「ゾウが乗ってもだいじょうぶ」というキャッチコピーのTVCMがあったのを思い出したが
本当に乗ってしまったのか?と思うぐらいの潰れ具合なのだ
中身はもちろん ボクチンが部長から譲り受け、鼻汁をたらすほど喜んだ
あの ジョジョの奇妙な冒険 1分の1 「吸血鬼の石仮面」フィギュアだった
ボクチンの怒りは瞬間的に沸騰し
「過去これほどまでの爆発はしたことはない!」
「震えるぞハート!燃えつきるほどビート!!」
と
いうほどの勢いで噴火した
「なっ!何をするだァーーーーーッ!!」
ミコシさんにむけて叫ぶ
何をするだァーの図
ミコシさんはうろたえながら
「ええ!? ち ちがうよ! どくろっち!」
「これ、これはさっき どくろっちがその人に殴られた時に」
「君がぶつかって・・・つぶれちゃったんだ・・・」
「なにぃ!?」
賢明な読者の方、お気づきであろう
ボクチンが張った見事な(?)伏線を
転その8 で書いた
「バリン!!」という音
部長の「うわあああああああ!」という叫び
ミコシさんの「ドクロッチ それ!!」の「それ」
は
このフィギュアのことを指していたのである
湧きおこった怒りは、誰かに向けないとおさまらない
石仮面をつぶしたのは
↓
ボクチンのケツ
↓
ボクチンを投げ飛ばしたのは?
↓
ごりっぺ
↓
ごりっぺ、ぶっ殺す!!
0,1秒で虐殺の構図がボクチンの脳髄に刻み込まれる
「ごりっぺーーーーーーーー!!」
「ゆるさん!!」
こうして・・・
たまねぎ部の強固な絆・つながりは、たった10分チョイのオフ会で
もろくも消え去ってしまったのであった
つづく
