自作小説 「機械」 転その4 | どうも、ドクロ家DEATH!

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きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

「ある日『彼』はニジさんに こう言ったそうだ」

部長は悲しそうな声で言った


「カナ 頭をよくしてあげよう」




「『彼』の当時の研究は 教授と共にうちこんでいた、人の脳・心の奥底をさぐる研究だった」

「彼らは見つけてしまった」

部長は目をつぶる

「人間の脳には原始的な本能 進化の記憶を司るP領域という部分がある」

「脳を海に見立てたとして」

「そのP領域という所には、とんでもない深さの海溝がある」

「何万メートルもの記憶の奥底にもぐりついた所には 1つの箱があるんだそうだ」

「彼らは名付けた パンドラの箱・・・と」

「そう、すべての災厄と1つの希望が入っていた箱だ」

「彼らの研究は通常、人間が一生開くことなく眠ったままの」

「そのパンドラの箱をあけることだった」

「その箱を開けたものは・・・すべての災厄というべきリスクと引き換えに」

「人間の能力を超越した力を手に入れることができる」

「ふきだした災厄が大きすぎる場合・・・人は人でいられなくなる」

「教授は研究を封印しようとした」

「が・・・」

「『彼』はそれを認めなかった」

「この研究に、彼の恵まれない人生の答えを見いだしたからだ」

「そして・・・よりにもよって その最初の被験者になったのが」

「お父さんにふさわしくない娘・・・というコンプレックスを抱えていたニジさんだった」

「『彼』の研究の手助けにもなれると思い この実験の被験者となった」

「教授には内緒で・・・」

部長は再び目をつぶり

「結果・・・」

「ニジさんは人を超えた頭脳を・・・望んでいたものを得た」

「そして その引き換えにニジさんの心にとりついた物は、いまだに彼女を苦しめている・・・」


ぼくちんはいたたまれなくなって聞いた

「苦しめているもの・・・・それは?」


「それは・・・アンタだよ」

重く、くぐもった声が背後から発せられた

ハッと振り返えると、入口のドアの前に2つの人影が並んでいた



つづく