なんさんが子猫の届けもののバスケットに手をかけようとした時
黒い影がものすごいスピードで、なんさんとバスケットのまえに立ちふさがり
なんさんの手をとった
「危険です、そのままゆっくりカウンターの裏までいって、身を伏せて耳を手でふさいでいてください」
アヤさんだった
ワッシャワシャのリボンフリフリのゴスロリ姿から、想像つかないスピードと冷静な指示だった
なんさんがカウンターに避難すると
あやさんは、着ていたドレスのスカート部分を丸ごとはずし
うらがえしてテーブルの上に置く
すると「ドチャッ!」と重厚な響きがして、スカートの裏にしこまれていた
007真っ青な特殊工具が広がった
まずアヤさんが、その中から手にしたのが、手のひらにおさまるような小型ボンベだ
ピンをあけ、バスケットに向け中身を吹きかける
「シューーーーーーッ!」
ボンベから発せられた気体は、瞬時にバスケットを凍結させ、真っ白にする
すると中からしていた「カチコチ」という音がとまった
アヤさんは、すかざすニッパーをとりだし籐のカゴ部分を切り取りだした
「開けないで、こわしちゃうの?」
なんさんが聞く
「はい、フタを開けた瞬間に通電して、爆発する可能性がありますので」
テキパキと箱を解体するアヤさん
中からアナログな時計条の機械が見えてくる
「やっぱ、爆弾?」
なんさんがテーブルの上の道具をいじりながら聞く
「はい・・・って、危険ですからカウンターに戻ってください」
なんさんは、道具の中からピップエレキバンのようなシールを取り出す

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「これ・・なあに?」
いっさい手を止めず、目もくれないアヤさん
「それは超小型発信機です、張り付けた人間の体温を使って発電して、発信します」
「へぇ~~!すごいね!!」
「じゃあ、これは?」
「・・・髪のブラシ?」
「ブラシに見せかけたナイフです」
「カバーを外すとセラミックの刃が出てきます」
「金属探知器に感知されないので、飛行機内のミッションに使えます」
「すごいね!!」
「というか、お願いですからカウンターに戻ってください」
なんさんは、アヤさんの話をきかずセラミック製のナイフを
「ビュンッ!!」
「ズバッ!!」
と擬音を口に出しながら振りまわしている
「ああ・・・・指紋を・・・指紋を付けないでください!」
アヤさんは涙ぐみながら、バスケット爆弾の解体を終えた
つづく