ずっと反抗期なしで従順ないい子だったが、
母親に振り回されてきた人生に嫌気がさし始めた。

こんな奴隷のような生活はもうウンザリだ。
自由になりたい!
自分の思うように生きたい。


社長である母親の言うなりになるのはもうやめようと思った。


自分で正しいと思う選択をするようにした。



従順なはずの奴隷が言いつけを守らない。
苛立つ母のとった行動はスタッフへのパワハラだった。(私の居ない所でやっていたらしい)


スタッフが辞めたら困るのは私だ。
仕事のカバーは私がしなくてはいけなくなる。


ひどいパワハラにスタッフは去っていった。守ってあげれなかった自責と後悔に苦しんだ。



求人を出してもかなか次が見つからないかったが、しばらくたってやっと面接希望者が現れた。

母親が旅行で不在の日に私は独断で彼女の採用の決定をした。それが社長の怒りに触れた。(通常は母と私の二人で決めていた)

たかが雇われ店長の分際で、社長に許可なく採用したと、激怒だった。


母「あんたも、偉くなったもんだね。あんたは社長のイスを狙っとるんかね。ああ、怖い」



機嫌の悪い母親は
新採用のスタッフへきつく当たり、一週間で去って行ってしまった。


スタッフが、辞めたその日の出来事!
母「ほーら見てごらん。あんたに見る目がないのが分かったかね!すぐ辞めて行ったろ。あんな人を雇ってどう責任取るつもりかね」

私「……申し訳ありませんでした」

母「口先だけで謝るのは簡単よ」

私「……どうしたらいいんですか。土下座でもしろと?」
(まさか実の娘に土下座はさせないと思っていた)


「それはいいね。土下座してもらおうか」


道路に面した硝子張りの店の中で、いつお客様が来られるか分からないという状況の中


土下座した。



私「申し訳ありませんでした。」

母「心がこもってないね」

私「ほんとに申し訳ありませんでした」
(自分の手を見ると震えていた)

母「…………」無言

しばらく土下座をしていたが、何も言わないので顔をあげると

母は笑っていた!!!
そして一言
「あんた、可愛いねぇー。抱いてあげる」


立ち上がった私に抱きついてきた。
そこからの記憶はない。


長年、必死で保ち続けていた私の心はこの時に崩壊した。

~憎しみを自覚した。早く死ねばいいのに~