祖母は、「この話は父には絶対言ってはいけない。私とあんたの秘密だ」と何度も念を押してきました。
過保護で、異常までに家族愛に執着していた父が、もし娘が自分より年上の男から多額の借金をしたことを知ったらショックを受けるからと、意味のわからない気遣いをみせていました。
父は、昔精神状態が正常な時から、当時姉の周りにいた、姉に好意を抱いていた男性から、その弱みに付け込んで、姉から頼ませる形でお金を借りさせたり、ローンを組ませたりと、それはそれは人の弱みに付け込んで非道なことをしていました。(そんなことが続き嫌気がさした姉は、その後家出をしてしまうわけですが。。)
だから、今回の私の話を聞いたところで、なんとも思わないだろうと思っていました。
むしろ、よくやった!とでも言ってたのではとすら思います。
「自分の娘と同じ歳くらいの女にうつつをぬかす方が馬鹿。いざとなったらなんとでも向こうを責める材料はある。」
これはいつも父が自分を正当化し、相手の男性に対して思っていた考えです。
そしてBさん以降、私は祖母からまた毎日、他にはあーいう人はいないのか、もう少し何とかならないか、と言われる日々が始まり、
挙句には、私が顔すら知らない、産みの母親の父(私の祖父にあたる人ですね)の住所をどこからか調べあげ、
「自分の孫からの頼みなら断れないと思うから、行ってこい」と、わざわざ車を走らせ、祖父の家まで行き、金の無心をさせられたこともありました。
私は、私と姉を置いて出て行った母親の父にあたる人に、家庭の恥をすべて説明し、なんとか助けてほしいと言いましたが、祖父はすでに70近く、緑内障を患っていたこともあり、丁重にお断りされました。
その頃から私も、段々と感覚が麻痺し、おかしくなっていきました。
煩わしさから逃れたかった。
祖母の言われるがまま、頼れそうな人にはお金の相談をしました。
父の昔の同級生、自分が通っていた大学の特別奨学金、バイト先で出会った男性、、、
大学を卒業する頃には、Bさんの300万円をあわせて、おそらく総額で500万近くのお金を家庭に入れました。
ただ、普通の大学生の私が、なぜそんなにお金をもってるのか、父も母も一度も聞いてくることはありませんでした。
それどころか、ある日には私がバイト先の先輩から家のために借りたお金を返したくて、
「もう期限だから、相手に迷惑かけれないし、お金返して」と、リビングで母に話したところ、
母からは「あんたは自分の家と他人とどっちが大切なんだ!」と責められました。
私がどんな気持ちでその先輩に借金を頼み、人間関係を築いているのか、母も考えてはくれなかったようです。
私は限界でした。
母に対して、「自分の家が大変だからって、人に迷惑かけていいことにはならないでしょ?!なんなの?!」と怒り、2階にかけあがっていったら、
2階の寝室で休んでいた父がその会話を聞いていたらしく、突然部屋から出てきて、
「てめぇ、なんだあの口のきき方は?!そんなに金が欲しいなら、てめえの振り袖売っぱらってこいや!」と、
物置に置いてあった私の振り袖を階段から箱ごと投げ捨て、私のお腹を何度か蹴ってきました。
もう限界でした。
殺されると思った私はそのまま家を飛び出し、当時家出していた姉に泣きながら電話をかけ、
「もう限界だ、家にはいられない」と話し、
姉に迎えに来てもらった記憶があります。