何か月もほったらかしている間に、大きな地震がきてしまいました。
揺れ自体は札幌はまだましなほうで、それでも清田区などは大きな被害が出ていて、自宅に住めない人たちがまだ沢山いるという状況です。
震源地付近は亡くなる人もいて、一瞬の出来事でこんなことになるなんて、とわが身に降りかかってあらためて恐ろしいと思いました。
幸いさらに大きな余震はなく、震源地付近以外は平常を取り戻していますが徐々にわかってくる被害の大きさに、まだ不安がぬぐえないです。
東日本の震災など、辛いけど尊い経験談から学んでいたことも多かったとは思うのですが、やはり災害というのはいつでも想定外なんですね。予想外は沢山ありました。
例えば、タブレットの充電が充分であっても、ネット環境自体が機能しなくて情報を得るのがラジオしかなかったり。東北の震災ではSNSは生きていたけれど、今回の地震ではそれを中継するシステム設備自体が電力がなく、電話機能だけではなくネットにもつながらなくなりました。
あの日、揺れが収まってからまず、風呂場に行って水が出るのを確認すると念のため浴槽に半分ほど水をいれておきました。大きめの鍋にも水をたっぷりと。懐中電灯は二本、電池式ランタンは二つあるので、すべて居間に持っていき(これは一年ほど前に深夜地震があったとき、電池を入れ替えてありました)、ガスが来ていることを確かめてからご飯を鍋で炊きました。おにぎりを作って、少し早めに仕事にいきましたが、通勤途中についている信号機が一つもなかったのでかなり広範囲で停電になっているのを知りました。
私の職場はあの時ネットでずいぶんその名を広めたあの小売業なのですが、うちの店は商品の破損などもなく、ただ停電のため冷蔵庫は止まってしまい、レジも止まってしまっている状態でした。幸いな事というべきか、レジが止まっても発注用の端末でレジ作業ができるようになっているのは知っていたし、この時店には私一人ではなく上司がいたということもあってどうにか開店しました。
でもこれは単に最悪な状況ではあったけれど幸運な状況がたまたまうちの店舗にはあったということであり、会社の指示でも何でもなく個人の判断で開店したというだけのことであって、褒められるようなことはどこにもないと私は思っています。多分あの日開店していた店は何が何だかわからないまま営業した、というのが本音なのではないかと思います。休憩をとることもできずに、7時間もずっとレジを打っていた。しかもいつもの仕事とは勝手が違うので神経は張りっぱなしです。そしてあの日開店していたからと言って、賞与がでるわけでもないw
ただ、私たちは2,3日で停電から解放されましたが、そうではない人たちもたくさんいた。少なくともわたしがあの日接客したお客様はみな冷静で、文句を言うことも無くむしろ「頑張ってください」と私たちを思いやってくださいました。でもそれも短い期間の「非常時」だからであって、長く続けばそれどころではなくなると思います。
わが家は古いマンションなので、水も出たし、ガスも使えました。でもオール電化住宅だったり、水をくみ上げているタイプのマンションは停電だけでは済まないんですね。水が出ないので一番困るのはトイレ。うちの母の知人宅は目の前の公園のトイレに行列ができたそうです。そして今回意外とよくいわれたのが「炊飯器が使えなくてごはんが炊けなかった」という事。今どき鍋でご飯を炊いたことなんてないんだろうなあ・・・と思いましたがオール電化住宅であればその鍋さえ使えない。いかに普段の生活が電気によって快適になっているか、便利であるかを見せつけられました。
札幌は一部、液状化現象で避難せざえるを得ない方もいましたが、ほかは停電しているというだけで自宅にいた人たちがほとんどだったようです。被害の少なかった地域は日中は外で焼肉したり(市内の交通機関がすべて止まってしまったため会社が休みになった人が多かった。これはいい判断だったと思います)、パークゴルフを楽しんでいる人もいました。生活物資調達に走り回る人も多かったのですが、一方で突然の休日も楽しんだ人が多かった。それを見て、札幌は大丈夫そうだなとほっとしました。
手軽にアウトドアを、と言われる昨今。もちろんそれもいいとは思います。子供が小さかったりすれば手軽にアウトドアは楽しめた方がいい。でも、アウトドアやキャンプって、実は日常を離れて「不便を楽しむ」ものなんですよ。いつもならスイッチ一つで炊けるごはんも、火をおこしたりガスバーナーを使って火を弱めたりして、それなりに時間と手間を使わなければ炊くことはできません。明かりも充分ではないし。
北海道は七輪やBBQコンロを所有している人が大変に多くて、アウトドア慣れしている人は多めかもしれませんが、本当の意味でのキャンプを知っている人たちはこの状況でもあまりダメージなく過ごせたのかもしれません。日常生活と何ら変わりのないキャンプなんてあったら、それはキャンプじゃないですからねー。キャンプは嫌いという人の多くはその「便利」から離れるのは面倒なのだと思うのですが、「不便を楽しめる人たち」はそういうときでもしっかり生活していけたりするんではないかと。もっともこれも自宅にいて、短期間の不便さだからですけど。
そして電気自動車で発電していた!という強者も身近にいました。奥様のご両親が電気自動車を使用していて、娘宅にやってきて娘婿一家一緒に過ごしたそうです。賑やかそうでいいなあ。
被害の大きかったところももちろんありますが、ほかは日常を取り戻しています。電力復旧に尽力してくださった電力会社の作業員の
皆さんには本当に感謝しています。
だらっと書いてきましたが、最後に。北海道は元気にやってます。ここからが、なんでもおいしい時期なのでぜひ遊びに来てください。航空運賃などのお得なサービスなどもあるようだし、10月になれば紅葉の便りが届くようになります。私達北海道の人が当たり前すぎて気付かない、面白いところを見つけに来てくださいね。
そして今も避難生活をしている方々、お辛いと思います。私には何もできないけれど、せめて北海道の日常を回していこうと思います。早く皆さんにもその日常が、以前になるべく近い日常が訪れるように祈っています。
洞爺湖周辺は彫刻公園になっていて、のんびり歩きながら作品を眺めることができます。ほんとはレンタサイクルを利用して、あちこち散策しようと思ったのですが、なんたって寒い。遊覧船に乗るのも寒そう。というわけで、ぶらぶらしてから少し早めにチェックインしました。







