【説明】

日本が戦った大東亜戦争。この大東亜戦争と激動の昭和史を自己の一身で象徴できる一人の人物がいる。その名を加瀬俊一という。

 

【読後感】

このような人物が日本にいたことに、大きな感銘を受けた。

筆者のやや偏った見解と論調もあるが加瀬俊一と言う人物が日本に戦前及び戦後に存在した意義は非常に大きなものがあったと実感できた。これだけの功績を残した加瀬が、不遇の時代もありながら今の日本に大きな功績を残したのは間違いない。国連大使として日本の国連加盟を実現させた功績、それらも上回る作家としての功績、日本としては珠玉の人物を十分に使いこなせたかというと、やや疑問に感じてしまうところもある。とは言え表紙にあるように、終戦の調印をした場面に同席しているその重責は想像を遥かに超えるプレッシャーであったであろう。かなり最近まで存命で、90歳以上まで人生を全うされた事は喜ばしい限りである。戦争と言う今の日本では異常な世情における彼の立ち回りが、素晴らしい上司にも恵まれそして存分に自身の能力を発揮した事は、大きな評価に値するのは間違いない。戦時中のやるせない部分もあるが、現代にその功績を伝えている当著書は、後世にもしっかりと残していく必要があるだろう。