【説明】

“白人労働者階級”は何に憤っているのか。ポピュリズム政治を駆動させるその力はどこから来るのかー英イーストロンドンと米オハイオ州ヤングスタウンという見棄てられた二都市における膨大なインタビューとサーヴェイデータで迫る、“トランプとブレグジットを生んだ人々”の正体。

 

【読後感】

学術的な素晴らしさと、本著の読み易さは別物である。タイトルにあるような、新たなマイノリティ、興味をそそる言葉だ。

 

これまでの近代の世の中が、白人によって語られてきた状況に対して、確実に一石を投じるタイトルで、果たしてそうした内容になっている。もはやマイノリティは肌の色や人種によって語られるものではなく、置かれている社会的な境遇や簡単に抜けだすことのできない環境によって語られるものであることに気づかされる。2020年のアメリカ大統領選挙の只中にある現在、その行く末は見極めていきたい。一方日本における移民問題の顕在化時期、日本人がいつになったら自分化して、こうした課題に真剣に向き合えるのか、遠くない将来を見定めていきたい。