【説明】

セバスチャン・ラッドはアメリカの大都市で開業中の“無頼の弁護士”。レズビアンと後でわかった元妻に一人息子を取られてダウンタウンの高層マンションにやもめ暮らし、月1回の面会だけ許されている。オフィスは黒い大型カーゴヴァン。目下、幼女2人の暴行殺害容疑で逮捕された少年を弁護中だが、他の弁護士がやらないヤバイ事件の被告を弁護する仕事ばかり集まってきて、落着く暇なし。

「やっちまった…」応援し、投資までしていた異種混合格闘技の選手が、まさかの判定に逆上してレフェリーを殴り殺してしまう。ラッドは有罪答弁取引で彼の量刑を軽くするべく画策するが、当の本人は「無罪釈放」の高望み。一方、市警幹部の妊娠した娘が行方不明に。最重要容疑者の弁護人となり、彼から人身売買組織についての貴重な情報を入手したラッドは彼女を無事に救うことができるのか。

 

 

【読後感】

日経夕刊の書評は星⭐️四で同じ。相変わらずのさすが感はある!

 

お決まりの弁護士ものでもあり、ジョングリシャムはあまり読まないが、日経夕刊に掲載されていたことで手にした一冊。読んでみると、やはりさすがと思わせる構成と展開だ。有罪100%の依頼人はさすがに救えず、ゲージファイター弁護は成功せず、無料報酬の甲斐なく敗れ去る。色々な内容が全て結論に至ってスッキリした気持ちにさせない終わらせ方も、その手法には恐れいる。読んで損なし、ジョングリシャムだ。