【説明】

鬱屈を抱えたデンマーク生まれの白人青年は、偶然出会ったアッラーの教えに救いを見出し、イスラム過激派に傾倒していくが、やがてその「大義」に疑問を抱いて棄教、CIAやイギリス、デンマークのスパイとなり、テロとの戦いの最前線に立つ。過激派の大物たちとの交流、危険きわまりない砂漠での暗殺作戦、情報機関の暗躍、裏切り。スパイ活動の内幕と波乱万丈の体験を赤裸々に語る衝撃の告白!

 

【読後感】 5★★★★★

十分に読み応えあり。二重スパイとなった本人が語り、そこに身を置くことの難しさが伝わってくる。世界のイスラムを取り巻く環境は今こんな風になっていることを思い知らされる。日本で日本人でいることの幸せを噛みしめる事柄だ。フランスのテロや風刺画を書いたデンマークの内容など、細かな状況は深く理解しないと知り得ない背景ばかりで、訳者のコメントにあるように、世界からこうした争いが無くなる日は果たしてくるのか、考えさせられる読後感である。