谷崎潤一郎の長編小説。タイトルが全てを物語っています。
毎度ながら、青空文庫で読みました。
ある男が、カフェで働く貧しく幼い女中を引き取り、自分好みの女性にしたてて女房にするのですが・・・。
これまた、主人公の男が愚かしいのです。救えない。度し難い。
また、悪女の恐ろしさも筆舌に尽くしがたく書かれています。
痴人とは誰なのか。男なのか女なのか、登場人物すべてなのか。
ある意味、艶やかかつホラーな小説と言えそうです。
読後感は、ちょっと嫌な後味が残りました。
また、それがこの作品の良いところでもあるのですが。