津村記久子さんの長編。

水車小屋に住む鳥であるネネと、その周りにいる人達の、何十年にも跨ぐ壮大な物語。

物語中に悲喜こもごもあれど、激しく号泣したりする尖った作品ではありません。人の温かさや良心、思いやりの美しさ、そういった今の私達が忘れかけているものを思い起こさせてくれる心温まる作品です。

ボリュームがあり、最後まで読み終えるには少々時間がかかりますが、その価値は十分にあります。

もっと優しい人間に私もなりたい、と思わせる素晴らしい作品です。