8/13(火)傍聴 性依存症・「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」 | 「やさしい武術指導Glasswolf」講師、京呉のdarkside blog

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カンと言うか、最近は法廷の前で待っていると「あ、今待合室で喋っているのは被告人と関係者だな。」と言うのが解るようになってきた。
まあ、裁判所でバッチ着けたおっさんと喋っているのは大体被告人なのかもしれないが。

予想通り、待合室で待っていた若い男は前の裁判が終わると法廷の被告人席へ。

事件は「埼京線の痴漢事件」。
被告人は板橋・赤羽間で女性の太ももをスカートの上から、スカートの中に手を入れてから撫でていたが被害女性に手首を捕まれ現行犯逮捕。
若く見えたが35歳、元売れない役者の被告人は罪を認めている。

神妙に謝るには謝っているんだが、被告人は同種前科二件、同種前歴二件の痴漢常習者。
今回の事件の三ヶ月前にも女性の着衣に精液を放出して捕まっている。

被告人は今回の三ヶ月前の事件後、メンタルクリニックに通い「性依存症」の診断を受け治療をしており、クリニックの医師の薦めで自助グループにも参加していた。

今回の事件は治療やグループミーティングの「効果が出る前に」起こしてしまった事件と言う事だろうか。


検察官からの被告人質問。
「あなたは平成23年に起こした事件の執行猶予が終わっても常習的に痴漢していたんですよね。」
「いえ、常習的にというと語弊があります。確かに一回でも悪いのですけれど。」
「じゃあ、何回ですか。」
「数回です。」

「数回って何回、覚えていないんですか。」

さすが女性検察官、鋭い質問だった。



「あなたは被害女性、そのご両親、捜査関係者、そして情状証人で来てくれたお父さんに対し、どう思っているのですか。」

「申し訳無い思いで一杯です。」

きっと申し訳無い思いとやらは嘘では無いのだろう、病気のせいというのも確かにあるのかもしれない。
けど私が「おや。」と違和感を覚えた事がある。

後悔と反省が見えるのに相反して、「謝り慣れてしまっている」のだ。
半分くらいの人はそこに気付かないだろう。


けど人をガン見する癖が付いている人や本職はそこを見逃さないと思う。


とにかく一番の被害者は女性だしなんかもう本当に残念な事件なんだけど
情状証人の被告人の父親が小さく漏らした
「今まで叱る事は多かったですが、褒めた事はありませんでした。」という一言で「病気」の背後に在るものがチラリと見えた気がした。



「私は今回の事件の後、依存症の事を知ろうと図書館に行きました。依存症の治療に、親から常に支えられているという実感も効果的だと本に書いて御座いましたので、保釈中の息子の誕生日に、私がずっと大切にしてきた時計を息子にプレゼントしたのです。」


検察官からの求刑は懲役6ヶ月。
弁護人は医師、自助グループ、父親の監督を受けながらの更正の為執行猶予を主張。

判決は次回。

(色んな事件の事を考えながら食べる裁判所のカツカレー。)