こんにちは

 

国立公文書館は、竹橋駅に近い国立近代美術館の隣りにあります。正しくは博物館ではなく、国立公文書館法に基づく機関になります。ただ国の行政機関などから移管を受けた歴史資料として重要な、公文書等を保存管理しており、その保存実務から一般利用まで広く事業を行うことにより、歴史資料として重要な公文書等の適切な保存と利用を図ることを目的としているので、博物館と同様の企画展示が行われています。

 

 

今回の目的は『江戸城の事件簿』を拝見・学ぶことです。

 

徳川幕府が江戸城を本拠として以来、様々な事件・事故がありました。とくに事件性が高いものをクローズアップした企画展です。

 

 

展示構成は、《1》プロローグ~江戸城の空間と構造《2》江戸城の事件簿(1)刃傷(2)窃盗(3)珍事件《3》江戸城の災害(1)火災と地震(2)幕末の江戸城《4》エピローグ~江戸城から皇居へ

となっております。

 

江戸城の本丸御殿は「表」(政務空間)、「中奥」(居住空間)、「大奥」に分かれており、天守台の位置や櫓や門の位置を理解すると、事件・事故のイメージがわきやすくなります。

 

刃傷でみなさんが思い出すのは「浅野内匠頭の刃傷沙汰」かもしれません。松の廊下が舞台で、映画やTVで散々映像化されてきました。皇居東御苑の本丸跡に行くと、松の大廊下跡の碑とパネルがあります。

(↑国民公園協会ホームぺージからお借りしました)

 

また、桜田門外の変を思いつく方もいるかもしれません。そういった刃傷沙汰をいくつか紹介しています。

(井伊家邸宅と桜田門の距離はわずかだったことがわかります)

 

中でも文政6年(1823)に西丸で起きた松平外記の刃傷事件は3人斬殺、2人が重軽傷を負う大騒動でありました。原因はいじめです。松平外記はその場で自害し、事後処理で処罰されるものが多く出ました。古今東西、いさかいの種は変わりませんね。

 

(同僚5人に斬りかかる松平外記)

 

珍事件は、文化元年(1804)江戸城内に進入した犬が大暴れ、足軽たちを「嚙み倒し」、逃げ回って最期には殺処分されるというものがあります。犬が気の毒な事件であります。

 

 

天保6年(1835)城内のご金蔵から金250両を盗み出した事件があり、犯人は金を握りしめたまま溺死体となってみつかるという、哀れな話もあります。

 

 

安政2年(1855)の大地震は江戸城の門や櫓、石垣にも損害を出しました。

 

明治の世になり、江戸城は皇居となります。

 

まもなく展示は終了ですが、間に合う方は大変興味深い内容ばかりです。入場は無料なので、ぜひご覧ください。帰りは神保町まで歩いてカレーを味わうのもおすすめです。カレーの名店たくさんあります。

 

 

◆国立公文書館 令和4年度第1回企画展『江戸城の事件簿』

 2022年7月16日(土)〜9月11日(日)
※来館にあたり、予約の必要はありません/入室制限を行うことがあります/開館日時:月〜日曜日:午前9時15分〜午後5時00分/期間中無休(閲覧室の開室日時とは異なります。ご注意ください)/入場料:無料

 

ぜひ、足をお運びください。