パイロットフィッシュパイロットフィッシュ大崎 善生著初期の村上春樹チックで、もう少し理解しやすい感じ。好き嫌い分かれるかも。じんわるしみこむ作品だとは思うけど、村上春樹を読んでいるとちょっと入り込みにくい。どこかで似ているな~という思いが抜けない。
シャングリ・ラシャングリ・ラ池上 永一著相変わらず池永さんの描く主人公達はむちゃくちゃなんだけど、引き込まれる。人物描写が上手い。ボリュームあるけど、最後まで飽きさせずに展開。面白い。そして実は単なるエンターテイメント物語ではなくて、結構経済的に裏打ちされた話なんだと思う。炭素経済とか、国家間の紛争をなくすにはより密接な自由貿易を目指すべきとか、奥深い内容だと感じた。設定上無理なこととか色々あるけど、それが気にならないような展開だった。池永さん面白いな~
老ヴォールの惑星老ヴォールの惑星小川 一水著いやー、この人の作品始めて読んだけど、夢があるね。SF物はあんまり読まないけど、これはいいわ。なんか無限の創造が広がる。読みやすいけど、説得力は抜群。傑作だと思います。他の作品も読んでみたくなった。
蝦蟇倉市事件1蝦蟇倉市事件1道尾 秀介 (著), 伊坂 幸太郎 (著), 大山 誠一郎 (著), 福田 栄一 (著), 伯方 雪日 (著) 架空の蝦蟇倉市を舞台にした物語を様々な作家が描く。個人的にはやっぱり伊坂幸太郎が一番。こういう形式も面白いけど、もっとそれぞれの物語が密接に絡むともっと読み応えあるかも。2も出ているらしいので、読んでみたい。
毒殺魔の教室毒殺魔の教室塔山 郁著第7回の「このミス」優秀作。とても新人とは思えない文章力。大賞の臨床真理なんかとは大違いで、むしろこちらを大賞にするべき。「告白」のスタイルとかぶるところがあるけど、最後まで読者を迷わせながら読ませる内容。最後まで真実はこれ!と分からない。構成がうまい。最初は単純な仕掛けと思わせて、実は奥深い。