ブラックビーナス 天才株トレーダー 二礼茜 | dokidoki感

ブラックビーナス 天才株トレーダー 二礼茜

こんにちは

この本を読みました

城山 真一

ブラックビーナス 天才株トレーダー 二礼茜







簡単なあらすじ

成り行きから 確実に利益をもたらすことで有名な
トレーダーの人物にうさんくささを感じつつも
付き人になった青年が見た景色とは・・・・


感想

タイトルはまさに厨2病でまったく興味ないけど
以前読んだこの作者 城山さんが描く物語は
現実的だったり 感情揺さぶるので読んでみました

百瀬良太は銀行に勤めていたけど 困ってる企業を
助けるのではない 営利主義に嫌気がさし辞め
無職でのんびり過ごしていた所

実家の工場を継いだ兄から連絡があり
経営が火の車で 救ってくれる投資家と会う
その真贋を確かめて欲しいと連絡を受け

そんなうさんくさい奴は金融知識ある自分が
判断を下そうと 対面してみると

会った女性は何の気負いもなく 等身大で
信用出来そうなので 任せてみると
本当にノルマをクリアしてしまいます

そして報酬として金ではなく 良太を使用人として
雇う事をオファーされ 受け入れざるを得なくなります
という前提から物語はスタート


「老舗和菓子屋」
金沢で長年支持を得る和菓子屋ですが
経営の失敗から多額の借金を背負っており
社長は藁をもすがる思いで 困ってる人を助ける
株トレーダー 二礼茜に依頼します

そこに茜と良太が訪問し 話を聞くと借金は5憶
それなのに茜は依頼を受けます
どうなるのか 社長の本心は という物語で

5億を稼ぐために3000万用意しろと茜は言います
そしてその資金で買った株は手を付けないように
というのが この物語の肝なのですが

いや3000万が1カ月で5憶になる株
そんなのあり得ない あるとするならインサイダー

そんな設定以外は良い物語ですが
その設定は理由もなくホウキで空を飛ぶ
ファンタジーでしかないので私は冷めまくりでした
一応以降も読みます


「歌姫の父」
次の依頼は良太も大好きだったけど亡くなった
女性シンガーの父親

シンガーが好きだったのに 父親の性格は粗暴で
良太は幻滅してしまいます

しかし茜は真剣に取り組み助けようとします
その実情は という物語で

こちらも内容は悪くないけど 茜の株取引の手法が
少し描かれていますが それは非現実的

いやデイトレで稼ぐ人がおり そんな人たちは
見えない物が見えて 成功する人がいること
実際にあるから全否定はしませんが
これはただの机上の空論で呆れます

こちらもいい話なのですが 前章と同じ理由で
まったく感情移入できません

そして良太は退職後 役所の臨時職員として
金融相談窓口から 正式職員として金融調査員として
雇われることになると 金融庁が茜を追ってる事を
知ります それは許可なく金融商品を扱っているからか

それともインサイダー等 違法な取引をしてるからか
茜を信用しはじめた良太に疑念をもたらせます


「元高級官僚」
元官僚が女性進出法案を巡り 下手こいたことから
退職するも その実績でTVコメンターになりますが

息子が不祥事を起こし多額の賠償金を請求されたり
愛人の要望により大金を要求されて窮地になります

またヤクザから足を洗うため まとまった金が
必要になった男 2人が茜を頼ることになります

こちらようやく具体的な株取引の事が描かれており
これまでよりは 面白く読むことができました

しかしラストは色々とうやむやに終わります
これは次に繋がるのか・・・・


「ブラックビーナス」
茜がついに金融庁に捕まり 良太は茜の過去や
これまでの経緯を知る事になりました

そして日本を揺るがす経済事件が発生し
解決に乗り出すのは・・・・

という物語で こちらはかなり具体的な取引で
現実味あったし(まあ冷静に考えると非現実ですが)

物語はドラマティックで楽しめました
でもラストはエンタメ要素高すぎな気がしました

例えば 池井戸さんなら企業の出来事問題を
現実的に表現したり

相場さんなら 政治・経済を歴史から事細かく
こちらも現実的な物語で描くのに対して

こちらはフィクションだなーと感じずにはいられません
多分そんなのが この本の評価はイマイチな理由でしょう

でも 茜のキャラとそれに付き合う良太はよくて
続編あるので そちらも読んでみたくなりました