嗤う淑女 | dokidoki感

嗤う淑女

こんにちは


この本を読みました

中山 七里

嗤う淑女








簡単なあらすじ

凄まじい悪女がいかにして生まれ
何を行ったのか


感想

中山さんのイヤミス連作短篇集です

「野々宮恭子」
恭子は中学でいじめられ耐えているところ
従妹の美智留が転校してくることになります

美智留はとても美しいのですが父の会社が潰れ
母親は蒸発してしまった家庭の事情があります

恭子は私といるといじめられるからと
美智留を遠ざけるのですが 美智留の存在から
自然といじめの対象は恭子から美智留へと移りますが
美智留はだまっている女性ではありませんでした

しかし美智留は父親から虐待を受けていることを
恭子は聞くと・・・・・・

内容は重いのに淡々と進む物語で面白かったし
これからどうなるのだろうと気になりました

「鷺沼紗代」
紗代は銀行に勤めておりストレスから
カードでの買い物で火の車状態のところ

高校時代の同窓会で会った恭子から
ファイナンシャルプランナーを紹介されます

それは美智留で 恭子の話をちゃんと聞くと
アドバイスをしたら 恭子は実行し
問題が解決されるかと思ったら地獄の始まりでした

銀行に勤めていながら金に無頓着な恭子が悪く
自業自得な物語は実際にありそうで面白かったです


「野々村弘樹」
美智留が転居しようとしたら先方の不手際で
引っ越しが先となり その間恭子の家に住むことに

恭子の弟 弘樹は大学を卒業するも就職に失敗し
家業を手伝っているのですが 両親からは
半人前扱いされ うっぷんがたまっていました

この物語の展開は予想出来ましたが
こう繋がってゆくのかと新たな局面に
どうなるのか楽しみになりました

「古巻佳恵」
佳恵の夫は2年前リストラされ働きもせず
小説家を目指すと言って執筆していますが

学生の娘2人がいる家計を支えるのは佳恵の
パート収入のみなので将来に不安を覚え
知人から紹介されたのが美智留でした

彼女に問題を指摘され 感銘を受け信頼し
何度か相談してゆくうちに提案されたのは
生命保険の増額でした

ダメ夫なので男にはまったく同情できず
佳恵の立場に寄り添って読みました
面白かったです


「蒲生美智留」
警察に目を付けられた美智留はついに拘束され
裁判になるのですが 驚きの展開になります

いわゆるどんでん返しなのですが
中盤で少し予想できたし 終盤でもひっかかりました

それは浅いとかでなく 作者はわざとフラグ立てたのを
私は気がついただけの話

ただ少し無理があるラストなのですが
一応筋は通っているし フィクションというか
それがエンタメだからとまったく気にならないし

実際1日で読んでしまうほど 引き込まれる物語で
とても面白くて ここまでの人はいないにしても
近い人は実在するだろうなーと空恐ろしくなりました