インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 | dokidoki感

インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実

こんにちは

この本を読みました

真梨 幸子

インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実








簡単なあらすじ

7人の男女を監禁し殺した男の母親から 取材に応じると
雑誌編集部に連絡があります その女性は殺人鬼フジコの
育ての親でもありました


感想

よくホラー映画では残虐な描写を見せるだけの物があります
昔はその手も好きでしたけど 最近は嗜好が変わりました

やはり人間の内面を描いたドラマの方が面白いと
感じるようになったのは きっと歳のせいでしょう
なのでホラー映画を観る機会が減りました

前作「殺人鬼フジコの衝動」は とても残虐な描写を伴いつつ
人間の内面も描いている物語で たまらなく面白かったので
こちらは とても楽しみで 実際面白かったです

雑誌編集部に電話が鳴ります
かけてきたのは 殺人事件の容疑者下田健太の母親茂子の
代理人だと名乗る人物で 茂子がインタビューに応じるとの事

その事件は静岡の団地で男女7人を殺し逮捕されるも
裁判で無罪の判決を言い渡された男の母
しかも前作にあったフジコの育ての親なのです

もう少し事件を説明すると 健太は複数の人間を騙して
団地に呼んでは 監禁しリンチを行い死に至らしめたようで

健太の内縁の妻が 前作の付録で主人公であった
小川ルミこと藤原留美子で ちなみに留美子は
最後新興宗教に誘われる場面で 付録の短編は終了しました

そして編集部の編集長は これはスクープになると
すぐさま取材に行かせようとするのが 井崎と里佳子

そして先方からの指名は TV作家吉永サツキ
彼女はフジコ事件を再現ドラマにしようとすると
茂子の属する新興宗教から圧力がかかり 放送できませんでした

これには何か意図があるのか?
そんな疑念を抱きつつも井崎と里佳子はインタビューを敢行するも
茂子の気まぐれで 実行に移せません

そんなやきもきしている間に 里佳子が独自調査していると
フジコの事件に遭遇し さらに興味が増し 何とかしたいと
功名心が湧きまくります

同時にサツキには 深い思惑があり 物語は
抜身の刃のようなヒリヒリとした展開となります
(サツキだけではありませんけど)

インタビューは茂子の勝手な都合で 前に進むことはなく
その間に井崎が調査している間に 
なぜか里佳子は茂子の家に滞在することになったり
サツキの思惑はどうなるのか

この展開はスリリングで読むのを止められず
ラストに明かされた真実は驚愕と暗い影を落とされる
余韻が残り とても面白かったです

おそらくこれで続編はないのでしょうけど
続きがあるなら読んでみたいし 
真梨さんの他の作品を読んでみたくなりました