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こんにちは


この本を読みました


桐野 夏生

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簡単なあらすじ

女流作家が自身の恋愛にケリをつけるために 
過去の作家が書いた 歪な恋愛の物語を題材にした
本を書こうとします


感想

桐野さんの代表作に「OUT」という作品があり
平凡な主婦達が死体処理を行うという ショッキングな
サスペンススリラーで大好きな本で

こちらはOUTの対義語である INというタイトルで
何かしら引っかかるものがあり ネットで買ってみると
裏表紙には「OUTの衝撃から12年」とあり

これは! と期待しまくりで読んでみると
OUTとはまったく違う内容に 戸惑い覚えまくり
途方に暮れまくりで言葉を失いそうになってしまいました

その内容は 女性作家タマキはW不倫の末 
互いの家族がバラバラになった経験があります

その時は不倫相手が好きだったけど 時間の経過により
だいぶ客観的に考えることができるようになりましたが
頭の片隅には残っている状況です

そんな現状から 昔の作家 緑川未来男が書いた「無垢人」
という小説は 作者自身の不倫を描いた小説であり

とても好きだった女性をどうやって忘れることができたのか
調べるために 作中に登場する相手女性「○子」を探し
それを題材に本を書くことを考え 実行するという物語でした

まず物語の主人公が作家であるのに 他の作家の物語を調査する
虚構の中で虚構を調べるという設定がややこしい上に

不倫していた頃のタマキの様子と現在が交差しつつ進行するから
前半は誰の何の物語なのか とてもわかりにくかったです

不倫している男女の愛憎 葛藤などは さすが桐野さんらしい
見事な心理描写で読みごたえはありましたけど
そもそも興味ないテーマなので それほど入り込めませんでした

章のタイトルが 淫 隠 因 陰 姻 全てINの読みで展開し
最後はINの章で終る構成は 本のタイトルはIN以外に
有りえないなと思い納得ですけど
これをOUTと結びつけるのはどうかな?と疑問でした

あと作家の業とでも言うのでしょうか そんなのが少し理解でき
トータル イマイチな作品でした