では、堆肥は何のために使用するのでしょうか?

このご理解が進んでいませんので、有機農法は思うような結果を残せていません。

 

なぜなら、一般的な堆肥は、堆肥の持つ「肥料成分」に期待されて使用されているからです。だから、反当り3tも5tも投入されます。これだけの量を使用しないと肥料分が不足して作物が生長しないからです。見方を変えると堆肥の持つ肥料成分に期待されている訳ですから、現代農法の延長線上にあるということがいえます。

また、堆肥の肥料成分に期待されている訳ですから、堆肥の作り方も本来の堆肥づくりである有機物の発酵分解が目的ではなく、水分が少なくなって堆肥の取扱いに困らなければいい、というレベルの堆肥しか作られません。だから、原料の臭気がそのまま残った堆肥しかできません。

 

本来の堆肥とは、発酵分解によって原料有機物の腐植化が進み、堆肥の持つ「有機物成分」が圃場の土壌微生物の栄養源として機能すべきものです。また、そのような機能を持つように加工されるべきものです。そのように加工された堆肥を「土壌性有機物」と呼ぶようにしました。ですから、上の分析表の評価欄にもあるように、この土壌性有機物はフルボ酸の特長を有していますし、腐熟しています。いわゆる、皆さんがよく用いられる言葉、「完熟堆肥」というものです。一般堆肥のように反当り3tも5tも投入する必要はありません。反当り1tあれば土壌の団粒化も促進されますし、収穫物は鮮度が長く保たれる農作物へと生まれ変わるのです。