とあるところでつぶいやいたこの説。
「ほんとうか?」
検証していこう。
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そもそも・・・の話。
昨年こんな記事を書いた。
NPBにおいて・・・出身高校で一番多いのはどこだろう?
という興味を持って調べてみた記事。
2020年まではPL学園が一位であったが、2021年に中京大中京高校に逆転される。
1位:中京大中京高校
2位:PL学園
3位:横浜高校
4位:広陵高校
というランキング。
2023年時点で308名のプロ野球選手がこのTOP4の出身。
うち、監督になったのはわずかに6名。
PL学園が5名。
広陵高校が1名
=金本知憲である。
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PLにしたところで、近年、立浪・松井・今江が続けて監督就任したが、それまでは2010年に尾花高夫、2018年に平石がいるだけだった。
横浜高校にも監督経験者はまだいない。
中京大中京高校もおそらくいなさそうだ。
ちなみに現役選手で一番多いのは大阪桐蔭高校であるが、これも監督になったものはいない。
「野球偏差値」の高い高校はフロントに嫌われる傾向にあるのか。
確かに「背広組」に好かれそうな選手は少なそうに見受ける。
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監督と違い、「コーチ」ということなら・・
真っ先に名前が浮かぶのはイチローを育てた新井宏昌だろう。
あの井口資仁を目覚めさせたのも金森栄治だ。
われらがタイガースで言えばヘッドコーチも務めた木戸克彦。
ほかにも西田真二、吉村禎章なども指導には定評があるし、吉村禎章は侍ジャパンのU-15の代表監督の経験もある。
だが・・監督となると・・・・だ。
■尾花高夫 1957年生 1973年入学
スポニチANNEX
引退後、広岡達朗に要請されてロッテの一軍投手コーチに就任。
1996年には古巣・ヤクルトに野村監督に誘われ入閣。
1998年には、今度は王貞治に呼ばれてダイエーホークスの投手コーチに。
2005年には原辰徳に引き上げられジャアンツの一軍投手コーチに就任する。
なかなかの面々に信頼されていたのがよくわかる。
一軍投手コーチとして4球団に在籍してシーズン最高勝率9回、4回の日本一4回にも貢献するなどその手腕は相当高く評価されていた。
そしてその実績を買われ、2009年のオフに横浜ベイスターズの監督就任する。
この年はベイスターズは、大矢明彦監督体制、2回目の3年目。
前年の最下位転落を受け、コーチスタッフも一新したが成績は上がらず5月に早くも休養。
残り試合は田代富雄監督が代行し指揮を執ったが最下位のままシーズンを終えた。
2年連続最下位のチーム再建を託された尾花だったがそのハードルは高かった。
チーム防御率は4.36から4.88と悪化。
チーム打率は2年連続12球団最下位。
オフには内川聖一がFAでホークスへ移籍するなどし、またもやチーム打率は12球団最下位。
本人は「もう一年やりたかった」が、2011年のオフに親会社がTBSからDeNAに変更となるタイミングでの休養、解任となってしまった。
引き受けたチームが悪かったとは言え・・・の成績。
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2人目のPL出身監督は
■平石洋介 1980年生 1996年入学
スポニチANNEX
大卒・社会人(同志社大学〜トヨタ自動車)からイーグルスに7巡目指名されるという地味な経歴。
選手としても地味であった。
2004年度のドラフトといえば楽天の1期生。
この年の最下位指名である7位で指名され、
現役引退するまでの通算7年間の成績は、37安打、1本塁打、打点10。
監督になった野手監督としては最少安打ではないだろうか。
調べてみると上田利治の56本というのがあったがそれよりも断然少ない。
そんな平石がなぜ監督になれたか?
それは引退後、2013年から1軍打撃コーチ補佐としてイーグルスに入閣。
そこで当時、監督だった星野仙一に目をかけられるのだ。
監督を退任し球団の副会長になった星野仙一は平石に2軍監督席を用意する。
2018年には梨田昌孝がシーズン途中で監督を辞任したため監督代行に就任。
翌年から成績に一軍監督となった。
そのシーズンは貯金3を作り、3位に押し上げたが石井一久GMに試合内容の精度や作戦面での不備、意識改革が改善されなかったとしてCS敗退後に監督を退任させられた。
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その平石の退任から3年後。
3人目のPL出身監督が指揮をとる。
■立浪 和義 1969年生 1985年入学
誰もが知る通り、清原和博、桑田真澄のKKコンビの2つ下で桑田真澄の部屋子であり特に可愛がられた。
引退後、ドラゴンズの次期監督として毎年のように名前も上がったし、実際2013年には高木守道の後釜として実現するかに思われたが結局は結局谷繁元信が選手兼任監督として就任。
ミスター・ドラゴンズとして待望論が盛り上がる中2019年に野球殿堂入りし、潮目が変わった。
ドラゴンズから依頼され2021年の春季キャンプの臨時コーチを務めた。
2021年に与田剛監督の退任を受けて監督に就任。
今季、開幕当初は首位を走るなど3年目に花開くかと思われたが今のところは5位。
特に昨年は借金26を抱えダントツの最下位に沈んでいる。
指導者経験のないままできるほど一軍監督は甘くない、とはよく言われる事だがそれにしても悪過ぎたし、その選手起用についても内外から様々な批判を受けた。
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そして2023、2024年と続けてPL出身選手が監督に就任する。
パ・リーグ.com
■松井稼頭央 1975年生 1991年入学
ライオンズからFAでNYメッツに移籍。
ロッキーズ〜アストルズを経て2010年に日本球界に復帰。
ライオンズではなくイーグルスに入団。
2017年に西武ライオンズに15年ぶりに復帰。
引退後2019年には二軍監督に。
2022年に満を侍して一軍監督となる。
しかし・・・
6月の記事に書いたように球団は成績不振を理由に交流戦を前に早々に休養を指示した。
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と、いうわけで・・
現在はドラゴンズと、楽天イーグルスの監督のみとなった。
■今江敏晃 1983年生 1998年入学
球団HPより
2016年からは楽天イーグルスの選手として、引退後は同チームの育成コーチ、二軍打撃コーチを歴任。
2023年オフに石井一久の後任として一軍監督に就任。
ここまでは4位。
開幕当初はいまいち波に乗れていない印象であったが交流戦で息を吹き返し、早ければ今日にも交流戦の優勝が決まる。
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就任時のチーム状態はさまざまだが・・
■尾花高夫 1957年生 1973年入学
6位→6位
■平石洋介 1980年生 1996年入学
6位(代行)→3位
■立浪 和義 1969年生 1985年入学
6位→6位→5位
■松井稼頭央 1975年生 1991年入学
5位→6位
■今江敏晃 1983年生 1998年入学
4位
と、ならべてみると決して芳しいものではない。
それを「PL学園出身の監督だから」と一括りにするわけにもいかないが。。
そうなると・・・だ。
わがタイガースの次期監督候補に名前のあがるPL学園出身者も心配になる。
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