4月になり新入社員も入ってきましたのでこういうトピックでも。
これについては大きな会社も小さな会社もさほど変わらない事情だと想像しますが、「完璧なマネージャー」なんてのはほとんどいないと思うんですよね。
たとえば
- 実務経験は豊富だし仕事もすごくできるんだけど部下とのコミュニケーションがちょっと苦手でしばしば周囲から誤解される、とか。
- 逆に、人の気持ちを汲み取るのが上手で良いチームビルディングをするんだけど、肝心な成果を出すための方法論はイマイチ欠けてる、とか。
- ○○に関しては社内でもずば抜けてるけどそれ以外は人並みかそれ以下、とか。
みたいに、「理想のマネージャー」みたいなのからすれば不満足だったり、かけ離れてるようなケースもあるでしょう。ご多分にもれず、自分もまがりなりにも試行錯誤しながら8年くらいそういう立場で仕事をしてますが、こことここはまだまだ勉強しないといけない、スタンスを調整しないといけない、上手くできてない、みたいに思うことはいくつも出てきます。
そういう人がなんでマネージャーになってるの?ということについてですが、背景はいくつかあって、ざっくり言えば
- 上司の上司すら完璧とは程遠い場合がほとんどだからいきなり完璧なマネージャーみたいなのはそうそう生まれない
- 完璧にできそうな人が現れるのをまってたらほぼ全ての部署でマネージャー不在になる
- 誰もが最初はマネジメント未経験の状態からスタートするので、一般メンバーからの昇格とか抜擢があればそこは必ず未熟なマネージャーになる
などなど、そんな感じだろうと思うわけですね。
仕事におけるリーダーシップ、って仕事の経験値とか関係なく個人の資質として発揮される場合も多いですが、マネジメントはあくまで組織運営とか組織開発の方法論であって、学習と実行、失敗、工夫、みたいな繰り返しで、スキルとして磨かれていくものです。
だからふつう、いきなりちゃんとはできない。また、あくまで人とかチームを扱う方法論だから、ちょっとやってみたところで教科書通りとか想定通りにいかないことのほうが多い。
それに加え、ベンチャーとか呼ばれてる/自称してる会社なんてのは特に顕著ですが、「若手の積極登用」とか「組織の新陳代謝」とかいろんな名目で未経験マネージャーが登用されるんですが、その度にマネジメント未経験の人がそういう立場になって(主に部下との関係性において)色々苦労する。
その結果として発生する双方の苦労、については大なり小なり避けられないことだし、組織開発の方法としてはまぁよくあることで、実際に多くの会社がそういう仕組で回ってます(実際には他の会社見たことないから知らないんだけど、だいたいそうでしょ)。
さて、ここまでが長い前置きなんですが、言ってしまえばそんな未熟な人に(無意識にでも)完璧を要求したり理想を期待したりしてるからお互い無駄に苦労する、みたいなのも結構あるんじゃないかという話から。
無い袖は触れない、期待してもでてこないものはでてこないし、勝手に期待して勝手に失望するみたいな構図があってもお互いに得することはそんなにないんじゃないのって思います。居酒屋での不毛な話のネタが増えるくらいでしょうか。
じゃあどうするかというと、
まず、マネージャーは自分の手綱を握っている人間だ、という感覚を捨てることです。
あなたの上司はそんな将軍様とか王様みたいに偉くなくて、言ってしまえば○○マネージャーみたいな肩書と役割を持って同じチームで仕事してる人、というだけです。
自分がメンバーの立場で苦労しているようなことがあれば、マネージャーも責任者としての立場で違うことで苦労していることがあります。
苦労の内容とか仕方は違うけど、不慣れだから苦労する、未熟だから苦労する、という意味ではどっちも同じ。
その上で、すこし、一歩引いた目で考えれば、その人が自分より知ってることとか得意なこととかすごいこと、は探せばなんかしら出てくると思います。たとえば
・社内の人脈がすごく広い。会社のことをなんでも知ってる。
・個人として、部署の誰よりも成果を出せる。
・専門知識が豊富。質問したらなんでも答えてくれる。
・クレーム対応がすごく丁寧で上手。
・社外の人とすぐに仲良くなるし、そういう人脈で仕事を作れる。
・社長からなぞにめちゃくちゃ信頼されている
・とにかく勉強量が半端ない
・部下の声をとにかく真剣に聞いてくれて、それを解決しようとしてくれる。
・会社をよくしようとか事業を伸ばそうみたいな意気込みがとにかくすごい
などなど
実際に、たぶんそういうポイントをいくつか評価されて、あるいは期待されて、その人はマネージャーになってるはずなんですね。
なので、もともと無さそうな袖に期待するのではなくて、自分より得意なことがある人が目の前にいて、幸いなことに相手も自分という人材を活用して部署の成果をあげなければならないという利害が一致してるので、とにかくその状況を積極的に利用して自分の成果を出すとか成長につなげるとかキャリアアップにつなげるとか、そういうののほうが遥かに生産的です。
それで、自分がそこまで期待してなかったとこまでやってくれたとかそういう姿を垣間見たとかがあれば、それは加点評価です。そっちのほうがよい関係になれそうな気もしますが、どうですか?
とにかく「上司なんだからそんくらい当然のようにやっていただかないと」ってスタンスで仕事してると、ツライことも多いし、なかなか思い通りに振る舞ってくれなくてムカつく、みたいなこと増えるのでオススメはしません。(上司側も、最初からできもしないのにそんな気構えで堅苦しくやろうとしたらだいたい空回って悪循環しか生まれない)
で、そうは言っても無い袖の部分についてはどうすればいいの? についてですけど、基本的には「自分はあなたのこういうところを頼りにしている」「今こういうことで困ってるからもっとこうしてくれると嬉しい」みたいに率直の伝えられるくらい、上司との関係性について余裕持って構えてても良いのではないでしょうか。
なにせ、将来自分も未熟なままそういう立場にたつかもしれないですしね。右も左もよくわからない状態で「上司なんですからこれくらい当たり前でしょ」「こんなことわざわざ言わせないで下さい」とか言われたら厳しいでしょう。(いや、言われてるのはまだいいのか。勝手に期待された挙げ句なにも言われないままいつのまにか勝手に諦められてる、みたいなほうがキツイな)
やるとわかると思いますけど、マネージャーをマネージャーとして育ててくれるのはいつだってその人の部下だったりしますね。なので変にマネージャーだからとか気構えたり遠慮しなくていいと思います。
そもそも、上司が未熟なことは不幸なのか?という点。このへんは人によるのかな。(それを不幸と思うなら、ものすごくちゃんとした人ばっかいそうな会社(どこだ)を探すことをオススメしたい)
で、まぁ不幸か否かはどっちでもいいとしても、明らかに完璧とは程遠そうな人が自分とこのマネージャーを担当してたら
- 「この人こういう仕事は苦手だから自分がそれをカバーしよう」っていう超わかりやすく価値のありそうな目標ができたり
- 「あの人のこういうところはみんなを困らせてるから真似しないようにしよう」っていう純粋な反面教師になったり
- 「この人はあの人と協力すればもっと上手く回せそうなのにな」っていう組織の視点が持てたり
とか、いわゆる完璧なマネージャー(誰だ)のもとで働くとは全く別の成長機会がゴロゴロありそうな気がしますね。というか、そういうふうに捉えてたほうが総合的におトクだと思います。
というのと、オマケでもう一つ。
これは双方ですけど「これだけ関わっているのだから、自分の頑張りとか気持ちは相手に伝わってるはずだ」なんてのはもっともお互いを不幸にする勘違いなので、苦労したり困ってることはただただ普通に伝えるのが良いですね。
「ちゃんと伝えてないから、分かってなくて当然だろう」の状態が普通です。それ以上を全て汲み取ってもらえてたなら多分それは奇跡ですよ。おまえら工藤静香かよ、的な。
ということで、とくに「一定の関係性が築けるまで」は、お互いにコミュニケーションを大事にしましょう。大事に、というのは、丁寧すぎるくらいに自分の意図とか気持ちを伝えるっていうことですね。
あとは、これは特にマネージャーから、「自分はこういうのが得意で、逆にこういうのはまだまだ勉強中」「このへんはみんなにサポートしてもらえると助かる」っていう姿勢を持ってたり、そういうのを素直に伝えていくとそういう良い関係が自然に発生すると思います。
最後に。
「いや、そんなんお前とかお前の会社が未熟なのであって自分とか自分の周りにいる人ははそんくらいのマネージャーなら軽くやってのけてますよ」的な方がいれば、是非応募なり紹介してもらえるとありがたいです。でも、そういうわけじゃない人も色々歓迎です。
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