今日は3月11日、あれから15年。TVでは各局が追悼番組を放送している。15年前、TVの前で水素爆発の瞬間を見ていて、「何故」、「何故」と自問していたことを思い出す。そう、「なぜ」なのだ。2重にも3重にも張り回されていたはずのメルトダウン対策。それが何故機能しなかったのか?、技術屋は現場にいなかったのか? 大地震に見舞われた直後のことなのに、炉を緊急停止する度量はなかったのか? 今にして思えば、安直な運転のしおりには書かれていなかったのに違いあるまい。

 

 原子炉運転室は巨大なパネルに運転状況や操作運転機器の稼働状況などがランプで表示されていて、何も問題がない状態では実に合理的で機能的なのだろうと思う。運転員は電力会社社員であり、あてがわれた操作取扱説明書(パネル)に従って機械的に操作しているのだろうと思う。原子炉運転システムは様々な状況に応じて対応するように出来ていると思うが、その基本は正動作だと思う。要するに制御機器は正常に動作するのが基本であり、制御対象機器が壊れている、動かない等の異常は2次的な処理になると推察できる。

 

 今回の直接原因は原子炉冷却装置の電源喪失と言うことだが、当時の報道の中で、それでも原子炉を緊急停止か温度を下げる非常手段があったらしいと聴いた覚えがある。メーカーの技術員ならばその方法を知っていたかも知れないと。数年ごとに職場を替わる電力会社員ではそこまでの技術を知り尽くすことは出来ないだろうから、どうしても緊急事案にはメーカー側の技術員が不可欠とならざるを得ない。

 

 次々とメルトダウンしていく原子炉を目の当たりにして、メーカー技術員は何を感じただろうか。歯がゆい思いをしたに違いない。電力の供給という立場から、原子炉の緊急停止は現場判断では出来なかったかも知れない。でも、一基でも、二基でも止めることは出来たはずだ。少なくとも津波警報が発表された時点で。

 

 私も技術屋の端くれとして、客先に納めた機器の運転状況に付いては常に気にしている。たとえば、TC会社に納めた電炉運転システムの遮断器はもう寿命が来る頃だ、事故が起きないうちに更新しなければ。O電力に納めた移動用変電設備の接点はすり切れていないだろうか、等々。

 

 長寿命設備であればあるほど、メンテは大事だし、技術を継承してゆかなくてはならない。パンフに書かれただけの上っ面の操作運転だけではまた繰り返して事故が起ると思う。