昨秋の兄弟旅行で「身体が不自由でも、眼が不自由でも、兄弟姉妹の助けがあれば何とかなる」と厚かましく認識した私たち老夫婦、今度は末の弟夫妻と2家族で近場の温泉に行くことになった。もちろん弟夫婦の好意だ。計画を立て、車を出してくれた。行き先は宮若町の「トラの湯」、トヨタの工場群を足場に開発された孤立の温泉だ。

 当日はまず芦屋町の「芦屋釜の里」を尋ねた。芦屋釜はTVでも何度も紹介されている古くからの釜の名産地で、歴史を辿れば南北朝時代から造られていたそうで改めて驚いた。室町時代に茶の湯釜の名品として全盛期を迎えたが、明治から大正に掛けて不遇の時代を過ごした。けれども昭和になって復興し、芦屋釜の良さが見直されているという。

 

芦屋釜人間国宝作

見学後、抹茶が振る舞われた

 

 その後、芦屋歴史館等を見学し、4時過ぎに目的のトラの湯に着いた。訪れて判ったことだが、ここには大浴場がなかった。すべてルーム内に個別に風呂が有り、これが逆に新型インフルに罹らないなどの売りなのだそうだ。温泉は大浴場、と思い込んでいた私にはちょっと不満だったが、楕円形の風呂釜は風情があって、まぁよかった。

 

 6時に夕食の会場へ。知らなかったが、酒類も含めてのバイキングだった。大勢の客で賑わっていたが、老人特有の厚かましさを出して、私はまずビールとズワイガニを持ち帰った。・・・だが、これが失敗だった。カニの身が取れない! 殻を切るのも固くて、おまけにハサミが切れない。わずか4本の足を食べるのに1時間を優に超してしまった。その間、妻や弟達は思い思いの料理やデザートを楽しんでいた。

 

 カニの身って、こんなにも取れないものだったか、私の手先の問題だろうか、残りの30分くらいでビールを少々と熱燗を1本、それにちょっぴりの肉、これでバイキングは終了。腹七分、健康的な食事だった!

 

 翌朝もバイキング。昨夕のリベンジと繰り出したが、結局写真の食事とコーヒー。どうも私にはバイキングは合わないようだ。

 

このトラの湯温泉、バイキングがウリのようで、次回は若い子を連れてこないと、と思いながら2日目のイベントへ。

 

 ここ筑豊地方は昭和の中期まで筑豊炭田として発展したところだ。筑豊炭鉱王として、安川・伊藤・麻生・貝島などが有名だが、宮若は貝島炭鉱の本拠地で有り、大いに栄えた。その石炭記念館に立ち寄った。

 

坑内イメージ

 

炭鉱住宅

 

 

 現在の地球、そして温暖化を考えると石炭の利用はマイナスとも考えられるが、当時の石炭への熱は凄まじいものであったのだと感慨深い思いがした。

 

見学はこれで終了、後は宗像大社に参拝し、宗像の道の駅で海鮮などを買って帰宅した。この前の兄弟旅行では歩くのもままならなくて、車いすを借りてもらったが、今回は順調に健脚ブリを示せた。薬が効いているのだろう、春の神戸行に自信がついた。