ASKAとデイヴィッド・フォスターの共演コンサート作品鑑賞
『ASKA featuring DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023』Blu-ray/ストリーミング配信が発売となって話題沸騰ですね。
私も、ようやく鑑賞できましたので、今回はそのレビューです。
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ASKAとデイヴィッド・フォスター。
2人が共同でコンサートを開催するというニュースは、日本中の人々が驚いただろう。
デイヴィッド・フォスターは、15のグラミー賞を受賞した実績を持つ世界最高峰の音楽家だからだ。
日本のアーティストが対等の立場で一緒にコンサートを開催するなんて話は、夢の夢でしかない。
そんな夢の夢であろうはずの話を現実にしてしまったのがASKAである。
そもそも、どういう経緯でこのコンサートが開催されたか。
まずは時系列で整理しておきたい。
1987年、ASKAがアメリカのバンドChicago(デイヴィッド・フォスターがプロデュース)のアルバムを聴いて影響を受け、ソロデビュー曲「MY Mr.LONELY HEART」を制作。
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1989年、デイヴィッド・フォスターに大きく影響を受けて「LOVE SONG」「PRIDE」を収録したアルバム『PRIDE』を発表。
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1990年代、デイヴィッド・フォスターに影響を受けたASKA制作の楽曲が大ヒットを連発。「はじまりはいつも雨」「SAY YES」をきっかけに、空前のチャゲアスブームに。
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2018年12月、「Blue Note Tokyo」で開催されたデイヴィッド・フォスターのライブでASKAが楽屋挨拶。
そのとき、デイヴィッド・フォスターの要請でASKAが即興曲を披露。
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2022年8月、「Billboard Live TOKYO」で開催されたデイヴィッド・フォスターのライブで、デイヴィッドが「誰か、舞台に上がって歌いたい人はいませんか?」と呼びかけ。
客席にいたASKAが手を挙げ、飛び入りでステージへ上がり、即興曲を披露。
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後日、ASKAがデイヴィッド・フォスターに共演ライブ開催を交渉。
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デイヴィッド・フォスターがASKAにオリジナル曲5~6曲を聴きたいと所望。
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ASKAが曲を送った後、デイヴィッド・フォスターがさらに追加曲を所望。
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2023年3月、ASKAとデイヴィッド・フォスターの共演コンサート実現。
セットリストも豪華だ。
01.SAY YES
02.憲兵も王様も居ない城
03.共謀者
04.迷宮のReplicant
05.はじまりはいつも雨
06.MY Mr.LONELY HEART
07.You Raise Me Up
08.Winter Games into St.Elmo's Fire
09.Chicago Medley with Glory of Love
10.To Love You More
11.即興曲2023
12.Man and Woman
13.next door
14.PRIDE / Hard to Say I'm Sorry
15.RED HILL
16.けれど空は青~close friend~
17.リハーサル
18.晴天を誉めるなら夕暮れを待て
19.YAH YAH YAH
20.Be free
21.僕のwonderful world
ASKAが披露したオリジナル曲は、デイヴィッド・フォスターから影響を受けて制作したという「MY Mr.LONELY HEART」以降の楽曲ばかりだ。
世間では「LOVE SONG」「はじまりはいつも雨」「SAY YES」などが日本のJ-POPの潮流を大きく変えていった曲として知られる。
「MY Mr.LONELY HEART」は、その助走とも言うべき楽曲と言えよう。
セットリストも豪華すぎる名曲群が揃った。
あいさつ代わりに「SAY YES」を持ってきて、「はじまりはいつも雨」「PRIDE」「RED HILL」「けれど空は青~close friend~」「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」「YAH YAH YAH」と超大ヒット曲と超人気曲が目白押し。
ここまで豪華なセットリストは、貴重である。
何よりもASKAが最近会得したという左右の喉をハイブリッドに使うという歌唱法がさらに洗練されて、終始会場を魅了していく。
それに、加えて中盤にはデイヴィッド・フォスターがプロデュースした世界的名曲が披露されていく。
ASKAがソウルフルに歌い上げる「You Raise Me Up」、宮崎薫が壮大に歌い上げる「To Love You More」にはデイヴィッド・フォスターも満足したのではないだろうか。
さらには、ASKA得意の即興曲披露や「PRIDE」と「Hard to Say I'm Sorry」を組み合わせた楽曲など、企画も豊かで飽きさせない。
「Man and Woman」「next door」をデイヴィッド・フォスターが演奏したのは、彼による選出なのだろうか。
どちらも、デイヴィッド・フォスターが好みそうなメロディーなので、もしかしたらASKAが事前に送った楽曲の中に入っていたのかもしれない。
デイヴィッド・フォスターのピアノ演奏も、繊細なタッチで心地よい。
ASKAは、類まれな行動力と発信力で、ラスト曲タイトルのような素晴らしい世界をステージ上に作り上げた。
ASKA自身が自らの音楽史の中で『ゴシック体太文字の赤文字』で記したいコンサートと表現したように、このコンサートは、日本の音楽史の中でも特筆に値するだろう。