ASKA「憲兵も王様も居ない城」レビューと畑中摩美さんの『note』開始 | ただひたすらCHAGE and ASKA

ASKA「憲兵も王様も居ない城」レビューと畑中摩美さんの『note』開始

今週は、7/25に5か月連続配信となるASKAさんの「憲兵も王様も居ない城」が発売となりました。

『Weare』「憲兵も王様も居ない城」ASKA
https://weare-music.jp/_ct/17191491



 「憲兵も王様も居ない城」は、コンサートツアー再開での完全復活に向けた決意がみなぎっていますね。
 ASKAさんにとって、ここ数年は、紙で作った城に籠っている感覚だったのでしょうか。
 すべての苦難を隠して、お洒落にステージで輝くASKAさんが見られるのはもうすぐです。

 それにしても「遺書」というフレーズを楽曲で使ったことには驚かされました。
 J-POPの歌詞に「遺書」というのは、まず見かけない言葉です。昔、松本人志さんの著書で『遺書』というベストセラーはありましたけどね。

 ポップで心地良いメロディーの間に急遽入ってくるロックで力みなぎるシャウトと「遺書」という詞。
 この「遺書」は、一体何を意味しているのでしょうか。

 本当の遺書という意味も含まれているかもしれませんが、それ以上に様々なものを連想されられます。
 これまで制作してきた楽曲、散文詩、著書、ブログ、メディアのインタビュー、未来への提言や活動スケジュールなど……。

 そのときは、未来はすべてうまくいくつもりで青写真を描いてみても、実際はうまくいかないことも多い。人生はそんな繰り返し。失敗して過去の人扱いされることもある。
 だから、どうやって自らの道を切り拓いていこうか迷ってしまう。高い壁に挑もうとすればするほど、不安も大きくなる。

 これまで、大きな罪を犯したのだから、復帰はまず小さなライブハウスから地道に、という周囲の声を振りはらうかの如く、ASKAさんは、世界的なオーケストラを携えて、世界に誇れる大規模コンサートを開く。

 そんな幕開けにふさわしい楽曲として「憲兵も王様も居ない城」は、ぴったりです。
 この時期にこそ、この楽曲を出す意味がある、とさえ言っても過言ではありません。
 この楽曲からは、まさに今、コンサートの幕が開こうとする瞬間の、ほとばしる熱気を感じ取れます。


 さて、話は変わり、来週の8/1で、YouTubeの『君が作詞作曲してみな!「ASKAのFellowsを、私が作ってみた」』企画からちょうど1年です。

 私のブログをご覧いただいている方ならご存知だとは思いますが、あの企画以降、私の音楽観が大きく変わり、ブログの内容も大きく変わりました。

 それまでは、チャゲアス一色だったのに、関連する他のアーティストやインディーズのアーティストにまで記事が広がりました。

 特に、インディーズで活動するアーティストは、1年前までは全く聴いてこなかったのですが、あの企画以降、頻繁に聴くようになり、YouTubeを中心にこの1年で聴いたアーティストは2000組以上となりました。

 そうなったきっかけは、畑中摩美さんの名曲「The One」です。

ASKAのFellowsを、私が作ってみた / 「The One」畑中摩美 


 どうして、こんな才能溢れるアーティストが全国的にまだ知られてないのか、という疑問が湧き上がってきたのでした。

 才能があっても売り出してもらえなかったら、メジャーからインディーズの活動に戻らざるを得ない状況。
 畑中さんは、インディーズに戻ってからの活動の方がメジャー時代よりも遥かにいい楽曲を制作して、常に進化していること。

 そんな現実を知って、私は、メジャーかインディーズかという先入観をなくし、YouTubeでいろんなアーティストの音楽を聴くようになったのでした。

 生まれて初めてインディーズのアルバムを買ったのも、畑中摩美さんのオリジナルアルバム『トゲノハナ』です。

畑中摩美「棘の花」


『GO AROUND JAPAN 2017』で、アルバムタイトル曲「棘の花」をギターの弾き語りで、ポップなロックの表現可能な限界に挑戦するがごとく披露する畑中さん。
重厚なコーラスや演奏が映えるCDでも聴いてほしい楽曲です。

 

トゲノハナ トゲノハナ
2,545円
Amazon

 


 以下は、私が書いたアルバム『トゲノハナ』ライナーノーツからの「棘の花」部分抜粋です。
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 まず1曲目から衝撃作「棘の花」で始まりを告げる。タイトルからは、イバラが連想され、イントロのギターリフからは棘が絡まりつく様子が浮かび、Aメロの歌声からは、心が傷だらけになった主人公の痛みが伝わってくる。
  もうここだけで、畑中摩美の魅力を凝縮していると言っても過言ではない。言葉とギターと歌声が絶妙なバランスで世界を作り上げていく。

 この楽曲の主人公は、傷つき苦しみに耐えた後、サビでは自分自身に対して、心に絡みついた棘を抜け、と力強く命じる。コーラスワークが冴えわたる迫真の絶唱が気持ちを奮い立たせる。
  イバラの道を乗り越えるのは、自分自身の確固とした信念のみだ。そんな覚悟がにじみ出た作品である。
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 そんな畑中摩美さんが「The One」から1年、ついに来月から新曲を発表してくれるそうです。

 しかも、新しい『note』というSNSでの配信販売となるようです。

畑中摩美さんの『note』ページ
https://note.mu/hatanakamami

 次々と新しいSNSができてきて、ついていくのが大変ですが、『note』は誰でも無料で登録できます。そして、気に入ったクリエーターの作品をクレジットカードで購入したり、自ら作品を制作して販売することもできます。
 楽曲配信、動画配信、イラスト配信、文章配信など、クリエーターが作品を配信し、ファンが購入する場です。
 また、クラウドソーシングのように、クリエーターを支援することもできます。

 ファンクラブのようにクリエーターの近況を知ることもできるし、コメントを通じて交流もできます。

 CDが売れない今の時代、これからは、こういったサイトでの楽曲配信が主流になっていくかもしれません。 

 ASKAさんの『Weare』が上質な音の楽曲を提供するサイトとするなら、『note』は、幅広くクリエーターの作品を提供するサイトですね。

 現在の音楽業界と、歌手や歌のあり方については、最近、kmm295さんのブログに深く共感しました。

ブログ『女性シンガー評価…超個人的主観…』 歌って商品なのだろうか…
http://kmm295.hatenablog.com/entry/2018/01/03/042514

 kmm295さんの上記ブログの記述「大手にはアーティストは扱えない」「やりたいことがある実力者には大手所属はお勧めしない」は、核心ですね。
 アーティストとして、自らが世に発信したい作品を自由に作って、何の制約も受けず発表するには、インディーズでやるしかないのです。

 これを読むと、ASKAソロは、ずっと個人レーベルのまま自由にインディーズでやってほしいと願ってしまいます。DADAレーベルになってから、確実に活動の幅が広がったし、ブログでリアルタイムに情報展開があり、迅速な新曲配信が可能になりましたから。
 大手でやるのは、チャゲアスを復活させるときでいい、と感じるんですよね。