以前、テニスをされている方にテニス肘についてお話をしていました。
僕:「テニス肘って、どうしてなるんでしょう?」
「その時の相手からの球種(球の強さ、速さなども含め)や、打ち返す時のその人の「クセ」なんじゃないですか?」
僕:「それもありますね。でも、その人の体の問題(特徴)や使い方にも問題があるんじゃないですかね?」
「いやいや、クセですよ」
僕:「いやいや、だからその「クセ」っていうのは体の問題も含んでいるんですよ」
「いやいやいや、クセはクセでしょう」
……
なんて、平行線のやり取りが繰り広げられました。
その時、実際に身体を動かす選手と、身体を見るトレーナーとの間に「クセ」というモノに対する認識にズレがあることを学びました。
クセ(癖):無意識に出てしまうような、偏った傾向。
スポーツの現場では一般的に、変なやり方・打ち方・投げ方などを学習してしまった時に使います。
つまり、アスリートの言う「クセ」とは
スキル、技術、やり方の偏りのことを指します。
それに対して、トレーナーから見た「クセ」とは
技術以外に、体のどこかに問題や特徴(身体のどこかがカタい、弱い、使えていないなど)があるため、その「クセ」が誕生した可能性を見ます。
「クセ」の裏側には、身体の問題が隠れていることが多いのです。
「スキル(技術)」
というのは
「身体の問題や特徴」の上に成り立っています。
つまり、アスリート達の「クセ」の裏には、脳がその偏った運動のやり方(スキル)を選択せざるを得なかった身体の特徴が潜在的に存在しているという可能性があるわけです。
例えばです。
AさんとBさんが、フォアハンドで球を打つときに体のひねりが出なくて、2人とも肘が痛くなるとします。
(2人の間に体格差はない)
Aさんは、体が柔らかく、背骨のねじれの可動範囲が広いです。
Bさんは、体がカタく、背骨のねじれの可動範囲が狭いです。
見た目は2人とも打つ時に体のひねりが出ないため、手打ちになり肘が痛くなっています。(体をひねらないで打つという「クセ」がある、といいましょうか)
しかしこの場合、打つ時に体のひねりが出ない原因は違います。
Aさんは、実際に打つ時に体をひねるというスキルが脳の中にないために、打つ時に手が痛くなり肘を痛めました。
このAさんは、打つ時に体のひねりの練習をして運動のスキルを磨けば、その問題は解決する…かもしれません。
これで打つ時にひねる練習をしてもテニス肘の痛みが改善しなかったならば、それは体の構造や使い方のどこかに原因がある可能性が高まります。
Bさんは、根本的に体がカタくてひねられないため、手打ちになり肘を痛めました。
Bさんは、その前に背骨のカタさや弱さを解決してあげないと、体をひねるという動作は出来ないでしょう。それでも無理矢理ひねって打ってたら、腰など違う部分を痛めるでしょう。
これは、クセを直したとはちょっと違いますよね?
何度も言いますが、
クセも含めて、運動のスキルというのは、体の問題や特徴がベースにあるのです。
その体のカタさを取ってあげたら、肘が痛くなくなった!なんてことが存在するんです。
選手は、ケガをしていないときは身体には問題がないと思っている人も多いのかもしれません。
だから、トレーナーはケガをしたとき・身体に疲労や不調がある時にだけ頼られることが多いのでしょうか。
ケガをしていないときでも、それら身体の問題を少しでも対処しておけば、ケガのリスクも減るしパフォーマンスは劇的に上昇するはずなのに。
今回は、説明がわかりづらかったでしょうか。
とにかく、ケガの予防のためにも、パフォーマンスアップのためにも、トレーナーには体を見てもらっておくべきですよー。
痛くなってきてからじゃ、遅いんですよー。
クセだからで片付けちゃだめですよー、と。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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