管理人が学生だった頃、地方都市にもまだ「ジャズ喫茶」なるモノが結構有りました。
一杯のコーヒーで何時間でも粘れるので、よく通ったものです。
店内では、コルトレーン、マイルス、チック・コリア、キース・ジャレット辺りのLPがよく掛かっていました。
ある日、行きつけのジャズ喫茶に行って、カウンター席でコーヒーを啜っていると、馴染みのマスターが
見慣れないジャケットのLPを出して来て、「これ知ってる?」と聞いて来ました。「知らない」と答えると、
彼はニヤリとして、そのLPをターンテーブルに載せ、針を降ろしたのでした。
それが、ジョン・コーツJrというジャズピアニストとの出会いでした。
流れて来たのは、心地よいピアノソロの演奏でした。
あまり黒人ぽくない、ヨーロッパ風の旋律、でも、クラッシック風ではなく、何となくカントリーや
フォークに通じる素朴さも感じられる、独特のピアノソロ。
しばらく聴いていて、「あれ、この感じ、誰かに似てるな・・・?」と、しばし思いを巡らす。
やがて、どことなくキース・ジャレットに似ていることに気付いたのでした。
で、その事をマスターに伝えたところ、彼はまたニヤリとしたのでした。
マスター曰く、「逆だよ。キース・ジャレットが彼の影響を受けてるんだよ。」
ジョン・コーツJrというピアニストは、ペンシルベニア州の地方都市の一軒のお店でしか演奏しない
伝説のピアニストでした。高校生の頃のキース・ジャレットが同じ町に住んでいて、彼の演奏を聴きに
その店に通っていたんだそうです。
それ以来、管理人は、ジャズ喫茶に行くたびに、そのLPをリクエストし続けたのでした。
時は流れ、ジャズ喫茶からも足が遠のき、ジャズ自体も余り聴かなくなってしまった管理人は、
いつしかジョン・コーツJrという名前すら忘れていました。
最近、また中古レコードを買い集め始めた管理人が、ヤフオクで中古レコードを物色していると、
懐かしいジャケットに出くわしました。その昔、ジャズ喫茶のマスターに教えてもらった、
ジョン・コーツJrの「アローン・アンド・ライヴ」というアルバムでした。
言うまでもなく管理人は、このアルバムを落札して、また繰り返し聞くようになりました。
何度聴いても飽きない、味わい深いアルバムです。
こんな感じの音楽です。
