最も英国的なロックバンドというと、いくつか候補が思い浮かびますが、管理人にとって、ある意味、最も英国的なロックバンドと言えば、フェアポート・コンヴェンションかも知れません。
英国の伝統音楽を、最初にロックに摂り入れ、消化したバンド、
アメリカで言えば、ザ・バンドのような位置にいるロックバンド、
それが、フェアポート・コンヴェンションでしょうか。
67年のデヴュー以来、途中で何度もメンバーチェンジと解散、再結成を繰り返しながら、現在でも続いている息の長いバンドです。
もっとも、オリジナルメンバーはサイモン・ニコル一人しか残っていませんが。
デヴュー当時は、どちらかと言うとバーズやジェファーソン・エアプレーン等、アメリカ西海岸のフォークロックの影響をモロに受けたバンドでした。
それが、3枚目のアルバム、「アンハーフブリッキング」辺りで、何故か英国の伝統的な民謡に目覚め、その後、ドップリと英国伝統音楽の世界にのめり込んで行ったのでした。
最近、ある雑誌で、当時のギタリスト、リチャード・トンプソンが「ロック史上最高のライヴは何か」と言うアンケートに「ザ・バンドのロンドン公演」を挙げているところを見ると、その辺は、ザ・バンドの影響なのかも知れません。(ただし、アメリカ伝統音楽の方に行かずに、自分の国の伝統音楽の方にハマッて行ったところが偉かったわけですが。)
その頃の代表曲、「時の流れを誰が知る」をどうぞ。
ただし、この曲自体はトラディショナルではなく、当時のヴォーカル、サンディ・デニーのオリジナルですが、メロディーには、ほんのりと英国民謡の影響がうかがえます。
フェアポート・コンベンション 「Who knows where the time goes 」
この曲は、その後、ジュディ・コリンズ等、多くの歌手にカバーされ、フォークのスタンダードとなりました。
その後、英国フォーク史どころか、ロック史上にも燦然と輝く名盤「リージ&リーフ」を制作、エレクトリック・トラッドと呼ばれる分野の開拓者となりました。
続く、5枚目のアルバム「フルハウス」では、紅一点のサンディ・デニーが抜けて男所帯となってしまいましたが、バンド自体の完成度には、ますます磨きが掛かり、プログレバンド並みの超絶技巧集団と化して行ったのでした。
と言うところで、当時のライヴ動画を
英国伝統音楽とロックが見事に溶け合った、フェアポート独自の音楽が繰り広げられています。
この辺りが、フェアポートの絶頂期だった様で、その後、メンバーが目まぐるしく入れ替わり、その度にアルバムの質も落ちて行ったような気がします。
このバンドは、出身者と派生したバンドを合わせると物凄い人数になり、英国ロック界でも一大勢力となっています。
そんな訳で、76年から、毎年、フェアポート関係者だけを集めた「クロップレディ・フェスティバル」というロック・フェスが開かれていて、現在も続いています。
このイヴェントには、リチャード・トンプソン、イアン・マシューズなど、当の昔に脱退してしまった人達も集まって来て、様々な時代のフェアポートが再結成されると言う珍しい光景が繰り広げられます。
また、ツェッペリンやジェスロ・タル、プロコル・ハルムと言った、フェアポートと仲の良かったバンドのメンバーたちも飛び入りで参加したりします。
とは言え、1978年に31歳の若さで亡くなってしまったサンディ・デニーだけは観る事が出来ません。
管理人的には、サンディ・デニーとリチャード・トンプソンの居ないフェアポート・コンヴェンションは、ワサビ抜きの寿司みたいなものでしょうか。
と言うわけで、最後にフェアポートの最高傑作「リージ&リーフ」から一曲。
これぞ「エレクトリック・トラッド」と言う、彼らの代表曲です。(動画じゃなくてゴメンナサイ。)
フェアポート・コンヴェンション 「Matty Groves」
ソロ時代のサンディ・デニーやリチャード・トンプソンについては、その内改めて書こうと思っています。