■PCR検査はすればするほどいいというわけではないという人の意見。
濃厚接触者や、疑わしい症状がある人に限定するべき。
検査される人のうち、感染者の割合が仮に40%とすると、陽性と判定された人が本当に感染している確率は60%程度である。
検査される人のうち、感染者の割合がさらに低くなると、陽性と判定された人が本当に感染している確率も低くなる。
検査される人は感染の疑いがある人にしなければ、感染者の割合はおそらく低くなるだろう。、
すると陽性と判定された人が本当に感染している確率も低くなるだろう。
陽性と判定されているけど本当は感染していない。そんな人が多くなってしまうと医療崩壊するじゃないか!!!
・・・という考え方になります。
●理由
・偽陰性・偽陽性があるから。
偽陰性…感染しているのに、陰性判定となるもの。
偽陽性…感染していないのに、陽性判定となるもの。
※以下、数学が分かる人向け
●ベイズの定理を使う。
【設定】
陽…陽性となる事象
感…感染しているという事象
非…感染していないという事象
…とします。
【PCR検査に関する前提】
感染している人が陽性と判定される確率…0.7(70%)
感染していない人が陰性と判定される確率…0.9(90%)
とされています。
・陽性と判定された前提で感染している確率…P(感/陽) と表記する。
P(感/陽) = P(陽 ∩ 感) ÷ P(陽) ・・・・(1)
・感染しているという前提で陽性と判定される確率…P(陽/感) と表記する。← 上記の0.7です。
P(陽/感) = P(陽 ∩ 感) ÷ P(感) ・・・・(2) ← 仮に感染者を0.4としたので、P(感) =0.4となります。
(1) … P(陽 ∩ 感) = P(感/陽) × P(陽) …(1)'
(2) … P(陽 ∩ 感) = P(陽/感) × P(感) …(2)'
(1)' と(2)'より、
P(感/陽) × P(陽) = P(陽/感) × P(感)
よって、
P(感/陽) = P(陽/感) × P(感) ÷ P(陽)
= 0.7 × 0.4 ÷ P(陽)
ここで、
P(陽) = P(陽 ∩ 感) + P(陽 ∩ 非)
= P(陽/感) × P(感) + P(陽/非) × P(非)
= 0.7 × 0.4 + (1-0.3) × (1-0.4)
=0.46
となります。
したがって、
P(感/陽) = 0.7 × 0.4 ÷0.46
= 0.608・・・・・・・(約60%)
となる。
このP(感/陽) は、上の式の0.4に左右されます。
これが低いと、冒頭のようにP(感/陽) は、60%よりも下がります。