ワクチンのお話  どんな病気を予防できる? | LINDO BLOG

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前回レプトスピラ病についてはお話しいたしましたが、

今回は6種と9種に共通して予防できる病気についてのお話です。

 


~予防できる病気~

 


◎犬ジステンパー


原因となるのは麻疹に似たウイルスで、イヌ科の動物にとくに高い感受性を示しますが、ほとんどの食肉目に感染します。

ニホンオオカミの絶滅の原因となったウイルスで、世界中に存在しています。

94年にはタンザニアの国立公園でライオンに流行、2014年には中国の研究施設で流行し、パンダを死に至らしめたことがニュースになりました。

 

ウイルスは感染動物の鼻汁やくしゃみの飛まつ感染や接触感染により広がります。

感染して数日で発熱などの風邪症状がみられます。


その後結膜炎、下痢、嘔吐、咳、くしゃみなどがみられ、重症化により麻痺や痙攣などの神経症状を呈し死亡します。

致死率は5090%と高く、ウイルスに対する特効薬がないため、対症療法(あらわれた症状に対する治療)を行います。

また、慢性経過をたどることもあり、この場合は徐々に痙攣や麻痺などの神経症状が進行していきます。

 



 

◎犬パルボウイルス感染症



パルボウイルスによる感染症です。


子犬や老犬は重症化するリスクが高く、死に至ることがあります。


パルボウイルスは非常に強く、環境中に数か月間生存します


一般的な消毒液は効かず、土壌が汚染されてしまった場合は土の総入れ替え以外に排除することができません。


感染した犬の便の中に排泄されたウイルスを口に含むことにより感染します。


症状は下痢や嘔吐などの消化器症状ですが、まれに心筋炎を引き起こすことがあり、この場合は子犬に突然死をもたらします。


特効薬がないためジステンパーと同様、対症療法をメインに治療を行います。



 


◎犬伝染性肝炎



アデノウイルス1型が原因となる病気です。


感染犬の分泌物や排せつ物との接触により感染し、子犬が感染すると重症化し死亡率が高い病気です。


また、一度感染した犬は回復後も半年ほど尿中にウイルスを排出し感染源となります。


症状は肝炎やそれに伴う神経症状・出血傾向、嘔吐、下痢、腹痛などがみられますが、子犬の場合は劇症型を発症して感染して間もなく死に至ることもがあります。


回復期に角膜が濁って青く見える、ブルーアイという症状を呈することがありますが、回復とともにおさまります。

 

 




◎アデノウイルス2型・犬パラインフルエンザ



ケンネルコフ
という風邪症状を引き起こす病気の原因ウイルスです。


感染犬の咳、鼻水などによる飛まつ感染により感染します。


咳、鼻水、発熱などの症状がみられ、重症化すると肺炎を引き起こすこともあります。

 

 



 

◎犬コロナウイルス



下痢、嘔吐などの消化器症状を引き起こすウイルスです。


ごくありふれたウイルスで単体ではあまり重症化しませんが、パルボウイルスと混合感染した場合に重症化する原因となります。

 

 

 

 

混合ワクチンの接種は狂犬病ワクチンと違い接種義務はありません。

しかし、これらのウイルスは愛犬の身近に潜んでいるものばかりです。


ウイルスは肉眼で見えるものではありませんので、完全に回避することは困難です。


感染した場合は特効薬がないため、感染を予防することが非常に重要と言えます。

愛犬の健康を守るため、定期的なワクチン接種により免疫力を高めておきましょう。