このところ天気がよくないのでブログ用の天体写真が底をついてきて、残りは
IC1470
だけになってしまいました。
ところで、最近になって惑星状星雲をたくさん撮影して撮影数が20天体ほどになりました。
撮影済みの天体写真はなるべく早く、天体写真集のホームページにアップロードしています。
ホームページには、
種類別(散光星雲や惑星状星雲など)
カタログ別(メシエカタログ、NGCカタログなど)
に分類して入れています。
ところが、このIC1470について調べてみると、多くのサイトでは散光星雲としていますが、惑星状星雲としているサイトもあるのでBingに聞いてみました。
次の枠内はBingとのやりとりです。
IC1470は惑星状星雲ですか
IC1470は、散光星雲であり、惑星状星雲ではありません1. IC1470は、ケフェウス座に位置するHIIイオン化領域であり、北半球からほぼ一年中観測できます21. 2: TheSkyLive.com 1: cosmic-album.jimdofree.com
散光星雲と惑星状星雲の違いを教えてください
散光星雲は、可視光によって観測できる比較的広い範囲に広がったガスや宇宙塵のまとまりであり、光を放たない暗黒星雲と光を放射あるいは付近にある恒星などの光を反射する散光星雲とがあります4. 散光星雲には、輝線星雲と反射星雲の2種類があります4. 輝線星雲は、電離ガスが自ら発光している星雲であり、散光星雲の中でも特に有名なものにオリオン大星雲があります5.
一方、惑星状星雲は、恒星が赤色巨星になった際に放出されたガスが中心の星の放出する紫外線に照らされて輝いているものです6. 惑星状星雲は、主に電離ガスから放たれる輝線スペクトルであり、散光星雲にも見られる水素、ヘリウムのバルマー系列再結合輝線や衝突励起輝線を持っています6. これは、電離窒素や電離酸素の確率の低い電子遷移に対応する輝線(禁制線)であり、電離ガスは極めて希薄であり、原子間の衝突がめったに起こらないために、励起状態の失活が起こらずこれらの輝線が観測できるのです6.
1: Wikipedia 2: TheSkyLive.com 3: cosmic-album.jimdofree.com 4: Wikipedia 5: Wikipedia 6: Wikipedia
惑星状星雲の中心星は白色矮星ですか
惑星状星雲の中心星は、恒星が赤色巨星になった際に放出されたガスが中心の星の放出する紫外線に照らされて輝いているものです1. 惑星状星雲の中心には、高温の白色矮星ともいうべき中心星があるとされています123.
次にGoogleの「Search Generative Experience(SGE)」でIC1470を検索してみると
(Bardではありません)
IC1470 は、次の特徴があります。
- 光度:-- mag
- 直径:2'
- 分類:E Sh 2-1
- 中央に赤い小さな星雲がある
- ミニ三裂星雲
- 北の天極に近い位置にある
IC1470 は知名度が低いため、分類が統一されていない可能性があります。
IC 1470 は、強烈な恒星風によって吹き飛ばされた恒星のガスを特徴としています。恒星風とは、恒星の表面から吹き出すプラズマの流れのことをいいます。赤色巨星のように表面重力の弱い恒星は、恒星風によって質量を放出し続けています。
ということで、IC1470は恒星風によるものらしいので散光星雲に分類することにしました。
● IC1470
30秒30スタック MAK90、ASI585MCなどを使用(トリミングあり)
SGEの検索結果にもあるように、この星雲はミニ三裂星雲とも呼ばれている綺麗な星雲です。
-----------------------------------------------------------------
実は、IC1470と同じように分類で戸惑った星雲に
バブル星雲(NGC7635)
があります。
● バブル星雲 NGC7635
この星雲も惑星状星雲に分類しているサイトがありましたが、この星雲のバブル(泡)の部分も恒星風によるものらしいので、散光星雲に分類しました。
天体写真集のホームページはあまり深く考えないで作ったのですが、いざ作ってみると分類ひとつ取ってみても考えさせられるところがあり、勉強になります。
このホームページはGoogle siteで作ったのですが、容量が大きいので多くの写真を掲載することができます。未完成なので暫定的に公開していますが、ほぼ完成しているので見ていただいたらと思います。
ホームページ作成も面白いところがあります。皆さんも作ってみてはいかがですか。