CMOSカメラと一眼レフのレンズで天体写真 | getaのブログ

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お気に入りの音楽を聴きながら、50年以上前にちょっとかじった
天体写真を中心に美しいものを撮って楽しんでいます。
低価格機材で写真を撮ることに執念を燃やしています。

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私は天体写真を一眼レフカメラ(DSLR)のレンズを使って撮っています 。ガイドスコープを使っている方が結構多いようですが、かなり高価なので所有しているカメラのレンズを使っています。 ただカメラレンズは CMOSカメラを取り付けたり架台に取り付けるのが面倒だったりするので、参考になればと思い私がやっている方法を書いておきます。(あくまで私はこのようにしていますということですので、参考にされる場合はご自身の責任でお願いします)

 

    Pentax用のレンズ(Kマウント)

    Canon用のレンズ(EFマウント)

 

1 Pentax用のレンズ(Kマウント)を使う

Pentaxのカメラはkxのときから使っています。今所有しているのはkrとK30です。両機種とも中古品で、K30は通称「黒死病」になっているものをメルカリで安く買い、自分で修理しました。

Pentaxのカメラはボディ、レンズとも小ぶりで軽く使いやすいのが魅力で、普通のカメラよりは赤い色が出やすいです。また、アストロトレーサーを持っているのですが両機種とも使用できるので、ちょっと撮るには便利です。

天体写真によく使っているレンズは、これも中古(2年位前キタムラカメラにて約7000円で購入)の

     smc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6ED WR

でEDレンズを1枚使っており簡易防滴構造になっています。

 

私はあまり高価なレンズは持っていませんが、所有しているものの中では綺麗に撮れるし使いやすいです。

 

左

  左から レンズ PK-Cアダプター  C-CSアダプター  ASI385

        (ピンセットに立てかけ) (上は0.2mm厚のリング状シート)

 

まず、レンズと CMOS カメラの取り付け方法ですが、

     K&F Concept PK-C

というアダプターを使っています。

(アマゾンで3000円余りだったと思います)

 

これはPentaxレンズのマウントをKマウントからCマウントにするアダプターです。

    CMOS カメラは

       ZWO ASI385MCSV305-SJ(サイトロンジャパン)

を持っていますが、いずれもCSマウントで、フランジバックは12.5mmです。

アダプターを付けたときのレンズ側はCマウントでフランジバックが17.526mmのカメラに対応するわけですから、CMOS カメラとの間に厚さ5mmのC-CSマウントアダプターを入れる必要があります。

(C-CSマウントアダプターはアマゾンで3個が1000円位のを買いました)

 

これで光学系はきちんと行くはずなのですが、レンズのズームを200mmにしたときに無限遠のピントが合わない事があるので、C-CSマウントアダプターを少し削って厚みを4.7mmにして調整ができるようにしています。今は厚み0.2mmのプラスチックシート(リング状)をCマウントとC-CSマウントアダプターの間に挟んで、C-CSマウントアダプター厚みを実質4.9mmとして使用しています。これですべての焦点距離で無限遠にピントが合います。(無限遠でピントが合えば5mmのままでよいです)

 

絞りが開放になるように隙間にゴムを挟みます(左にあるのが絞りのピンで可動)

 

あとレンズの絞りですが、Pentax用のレンズで絞り環のないレンズは、普段は最小絞りになっているので、CMOS カメラに取り付けるときは絞りを開けてやらないといけません。(絞り環のあるレンズは関係ありません)

私はレンズ後方の絞りピンの可動部にゴムを挟み込んで開放にしています。

このゴムはレンズの内部に落ち込まないように上の部分を広くしておく必要があります。落ち込んでしまうと取り出すのが困難になりますので気をつけてください。(失敗の教訓です)

 

     板ゴムでフィルターの周りの隙間を埋めている

 

このKマウント用アダプターを使用した場合に問題になるのは、フィルターを取り付けるようになってないことです。

 

そこで私は、Kマウント用アダプターの中の空間に1.25インチ用のフィルターを落とし込みアダプターとの隙間(2mm~3mm)に板ゴムを入れて固定しています。この方法でフィルター1枚だけ取り付けることができます。

 

近いうちにねじ込み式にしたいと思っていますが、今のところはこれで間に合っています。地方都市のこの地域ではCLSフィルター(高価なフィルターは良いと思いますが、なかなか手が出ません)が合うようなので入れっぱなしにしています。赤外線カットフィルターなどはレンズの先端に取り付けています。

 

【2021.10.20追記】

フィルターの取り付けを、ねじ込み式に改良しました。

方法は、使っていないアイピースの先端を3mm位を輪切りにしてリング状のものを作ります。アイピースの先端にはフィルターが取り付けられるねじが切ってあるので、これを利用するわけです。

切断したリングは切り口をヤスリで平坦にして、黒色のつや消し塗料を塗ったあと、前記のフィルターをゴムで止めていたところへ接着剤で固定しました。

固定の際、傾きが変わるといけないので切断面でない方を奥にしました。

接着は、まず3mm位の板ゴム小片をアダプタとリングの隙間に入れ固定し、残りの隙間に黒色ホットボンドを流して接着しました。

私は結構指が太くて取り付けにくいので、ピンセットを使って取り付けています。

少しは取り付けなどが楽になりました。

【追記終わり】

 

次に架台への取り付けですが、私はPentax用のレンズをZWO ASI385専用で使用しています。

 

ASI385の後部には1/4インチ雌ねじ(写真三脚用小ねじ)が切ってあるので、アリガタプレートに L 字金具を取り付け、これを介して取り付けるようにしています

 

   下の説明のL字金具は左側

 

私は概ね2種類の L 字金具をよく使いますが、この L 字金具(アマゾンで20枚が1000円位)は鉄製で厚みが3.5mm近くあるので2枚重ねにして約7mmの厚さにしています。最初から開いている穴がそのまま使えるので工作は必要ありません。

 

アリガタプレートは中国から直送してくるものをアマゾンで買いました。安いですが特に問題はありません。アリガタプレートは長さによって穴の位置やねじ切りの有無が違いますので、よく見て買う必要があります。

 

ボール盤やタップを持っていれば好きなように加工できます。

 

このレンズ以外に、トキナーの500mmも架台に取り付けられるようにしていますが、こちらは大きさや重さが全然違うので写真の通り別の方法で取り付けるようにしています。

 

2 Canon用のレンズ(EFマウント)を使う

Canonのカメラは、EOS kiss X50、EOS 60D(改造)を持っています。

X50は10年くらい前に新品を買いましたが、60Dはメルカリで買った中古です。

 

天体写真用に使うレンズはこれらのカメラとは関係なく、リサイクルショップで買った下記のジャンク品で500円でした。

    SIGMA 70-300mm F4-5.6 DL MACRO

このレンズはフイルムカメラ用らしく、Canonのデジタル一眼で使用するとファームウェアの関係で、絞り開放以外ではエラーが出るレンズだったと思います。だから安かったのでしょう。

Canonのデジタル一眼で絞り開放にして撮ることはできると思いますが、カメラが故障してもいけないので使わないようにしています。しかしCMOSカメラで使う分には関係ないので使えるわけです。

このレンズは少し汚れがありズームがやや硬目ですが、汚れは掃除をして綺麗になり、ズームも使用上問題はありません。なお同じようなCanon製の300mmズームレンズを所有しておりCanonのカメラではそちらを使用しています。

 

      Svbony SV149 キャノンDSLR用アダプター

        (上のアリガタプレートなどは除く)

 

この場合のレンズと CMOSカメラの取り付け方法ですが、アマゾンで買った

    Svbony SV149 キャノンDSLR用アダプター

を使っています。

このアダプターは大変安いので大丈夫かなと思いながら購入してみましたが、やはりあまり良くありませんでした 。私が買ったものは外れだったのかもしれませんが、良くなかったところをあげておきます。

 

  • マウントのロックピンの出が少なくロックできない
  • ロックピンが通る穴が長円になっており、外側が盛り上がっている
  • マウントは内部のばねが弱いようでレンズを取り付けた際、上記のレンズでは垂下がったようになり、マウント上部に0.5mm位の隙間ができます

上記の1番目と2番目は明らかに工作ミスだと思います。

3番目はカメラレンズを手に持って眼視用に使用することを想定して設計しているのではないかと思います。重たいレンズを支えての使用まで想定していないのではないかと思います。

余程返品しようかと思いましたが、何とかなりそうでしたので使うことにしました。

分解してみると、1番目はロックピンの穴にバリが残っていたので取り除きました。ねじの締め方も緩かったのでよく締めたところ、何とかロックできるようになりました。

 

2番目は見栄えが悪いのですが我慢するのみです。

 

3番目は、ばねの下に1mm厚のゴム片を挿入してばねの弾力を増しました。バネが塑性変形しないようにゴムの大きさや挿入箇所には気をつけてください。

 

ゴムを入れる場所は、この写真ではバネの上、隙間の大きいところです

矢印の僅か右側です

 

一応これで使えるようにはなりましたが、これを購入される方はこの辺りをよく考えて購入されるのが良いと思います。

 

ということで、このアダプターをカメラレンズに装着すればよいのですが、アダプターの一番手前にある接眼部分はアイピースを装着して眼視するためだけにあるようです。 この部分にアイピースを入れると望遠鏡として使えるということです。

 

CMOS カメラを使う場合は、この接眼部分のリングを外す必要があります。このリングを外した状態で CMOS カメラを装着しますが、外したリングに付いているねじ2本を取り外して CMOS カメラの固定に使います。

 

           SV305SJを装着した状態

 

この状態で無限遠にピントが合うのは、どうもSvbonyの自社製品だけのようです。私が所有しているSV305-SJを装着すると無限遠までピントが合いました。

 

同じようにASI385を装着しても無限遠がでません。

SV305-SJもASI385もマウントはCSマウントでフランジバックは12.5mmなのですが。

 

よく見るとSV305-SJとASI385は少し形状が違います。SV305-SJは先端がアイピースと同じ大きさ(1.25インチ)で長さが5mm位あり、この部分が接眼部に入ってしまうので、この場合SV305-SJのフランジバックが5mm短くなったのと同じになるのです。この状態でピントが合うようにしているようです。

 

もしASI385で同じような取り付け方をしたいのなら、アダプターの先端部分を5mm切断すればよいわけです。

 

しかし5mm切断すると、ちょうど固定ねじを入れる穴にかかるので、ねじ穴を開け直す必要があったり結構面倒なので、ASI385をどうしても使いたいときはASI385の黒いリングを外してT2ねじ(42mm,P0.75mm)の部分で直接接眼部に結合した方がよいと思います。(下の写真)

 

          T2でASI385を接続した状態

 

この場合、1.25インチフィルターを使うときは、ZWOのフィルターリングを入れる必要があります。(2200円位するのでリング1枚にしては高価です。 CMOS カメラによっては添付されている機種もあるようです。)

 

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【2021.10.3追記】

ZWO等のフランジバックが12.5mmのCMOSカメラをT2ねじで取り付けたときのフィルターの取り付けについて、ZWOのフィルターリングは高価なので何か方法はないものかと考えていたところ、思いつきましたので書いておきます。

 

それは、フィルターを取り付け可能なアイピースの筒の部分を使います。この筒を外して上記アダプターにはめ込み、ねじで

固定します。筒はあまり長くないもののほうがよいです。

 

このねじは、六角レンチで回す4mmの大きさのねじ(頭が大きくなっていない)を使い頭が出ないようにします。このねじがない場合は筒に薄いテープを巻き、きつい状態ではめ込んで固定する方法もありますが、お勧めはしません。

 

筒の、フィルター用のねじを切ってある方をレンズ側にしたほうが着脱しやすいし、フランジバックを決めやすくなります。

そこへ1.25インチアイピース用のフィルターをねじ込んで取り付けます。

 

また、カメラ側は筒を2mm(2mmより少し小さいほうが間違いないと思います)はみ出しておくと計算上はフランジバックが合うようになり、カメラを取り付けると、カメラの先端がアダプターの端から5mmのところ(ネジ穴の中央)にくると思います。

これでフィルターが取り付けられるようになったので、先端を切断しないで、この組み合わせでしばらく写真を撮ってみたいと思っています。

                           【追記終わり】

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私は、このマウントアダプターをなるべくSV305SJで使用するつもりですが、気が向いたら5mm切断するかもわかりません。

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【2021.12.02追記】

このマウントアダプターを、私が持っている ASI385MC でも無限遠でピントが合うよう、切断し、固定用のネジを2か所新たに切りました。詳しくは下記のブログを見てください。

 【追記終わり】

                       

レンズの絞りについては、CanonEFマウント用レンズは単体では常時絞り開放になっているはずですから、特に設定などの必要はありません。絞りを絞りたいときはレンズの先端に穴を開けた遮蔽物を置くしかないと思います。

 

  ロック用のリングにL字金具を取り付け、アリガタプレートに固定

 

架台への取り付けですが、このアダプターにはロック用のリングが付いていますが、このリングに L字金具(アマゾンで10枚が1000円位、前出の写真右側)をねじで取り付けて、 L字金具をアリガタプレートに固定しています。

 

この L字金具はアルミ製で厚みが6mmあるので強度は結構あります。

 

 

         アリガタプレートに取り付けた状態

 

こちらの場合は少し工作をしなければなりません。私は工作も嫌いではないので、安く上げるために自作することが多いです。

 

工作は ロック用のリングに2箇所穴を開けてねじを切ります。(4mmのねじを切りました)そしてL字金具上部をロック用のリングに合わせて丸く欠き、2箇所に穴を開けます。そしてねじで双方を固定し、L字金具をアリガタプレートに取り付けます。L字金具は下の角を斜めに削るとアリガタプレートにピッタリはまります。

 

このとき前記の通りマウントのばねを強化しておかないとレンズが垂れ下がるわけです。

 

【その他】

あれば便利なもの(自作すれば安くできます)
  ドリルのセット(写真左、1000円位)
  ダイスとタップのセット(写真中央、2000円位)
  1/4インチ、3/8インチのタップとドリル(写真右)